ズルい妹 前編
アル様と共に暮らすようになり、とても穏やかな日々を過ごしている。働いてる方達はもちろんご両親やアル様に大事にしていただいている。
ある日お茶の時間と呼ばれ行くと、アル様がとても複雑な表情をしていた。
「ミリィ!待ってたよ。お茶をしよう。好きなお菓子を用意したんだ。」
「…アル様。」
「何?」
「何を隠しているのですか?」
目を逸らしながら答えるアル様を問い詰める。怪しさだけしかない。
「…実は、君の妹が居なくなったと。」
私に対してずっと恨み事を言っていたため、こちらに来てないかと父の弟から連絡が入ったそうだ。アル様はこっそり対処し、私に何も無かったようにしたかったのだと。
「隠し事は辞めようって話しましたよね?」
散々黙って動いてくれていたアル様と隠し事はしないと約束していた。
「ミリィが傷つくかと思って…」
「アル様が隠し事をする方が傷つきます!」
ゴメンと抱き寄せてくれる。もし君に何かあったらと思うと耐えられなくてと。
昔のアル様は私に対し無表情を保てていたが、一緒に暮らすようになり感情が爆発しておりとても分かりやすいようになった。
「隠し事できないんだから言ってください。」
「申し訳ない。」
シュンと項垂れるアル様は可愛い。共に解決策を考えましょて言うと、パッと顔が明るくなり嬉しそうだ。スリ寄ってくる。
「もう!話し進めますよ。で、いついなくなったんですか?」
「3日前らしい。元の家に度々自分の家だと言い訪れて暴れていたみたい。3日前急にお姉様と入れ替わればいいんだ!て言い出して居なくなったから、まだ来ていないなら警戒して欲しいと連絡があった。」
「はぁ…あの子は本当に。ご迷惑かけてすいません。」
「ミリィが謝る事じゃないよ。しばらく警護も厳重にするし、1人にならないで欲しい。」
了承しもう隠し事しないでくださいねって言いながら仲良くお茶をいただいた。
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いつも定期的に行なっている教会への奉仕活動へ赴いた。アル様には延期する様言われたが、1人にならない約束と警護を万全にする事で許された。子供達とお菓子の約束もあるし、少しくらいなら大丈夫だと思った。
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「お姉様ばっかりズルい!」
教会で皆と遊びお菓子を食べ、片付けに炊事室に行ったところ妹は現れた。教会の中だし大丈夫だろうと油断してしまった。
私が定期的に訪れていたのを知っていたので、潜んで待っていたそうだ。
ナイフを持っている。こちらへ来てと誘導されついて行く。アル様ごめんなさい。言う事を聞いていれば良かった。
下町をしばらく歩き小さな家の前でとまる。家の中に入るよう言われ入ると両親がいた。
家を追い出され生活していたが困っている。妹に後妻でもいいから嫁ぐように言ったが嫌がる。お前と変わればこの生活も終わると言うんだ。あの子さえ上手くやればこちらを優遇してくれるんだ!お前は家族が困っているのに情が全くない!と喚いている。
「お前と婚約中、2人は隠れて恋仲だったそうじゃないか。変わっても問題は無いんだ。」
あぁ…あの子はアル様のあれまだ信じてたのか。呆れた目で見てしまう。
「悔しいくせに!あの人は私の物よ!お姉様が脅して奪い取ったのよ!可哀想に。私と一緒になりたかったはずなのに。」
「あぁ…そう。」
呆れて何も言えない。どうしよう。こんな交換成立する訳がない。アル様は私が大好きなのだから。一緒に暮らしていて毎日離れないので疑いようも無い。あれも困ったものだがと思っていた。
お姉様は離縁したあと、後妻にいけばいいのよ!お金になると両親と話していて、頭が痛い。早く帰らないとアル様が爆発してしまう。逃げ出せるかな。
あ、扉開いてる。3人が楽しそうに話している間にこっそり出てみた。
絶対探されているからすぐ見つけてもらえるだろうと思い教会に向かって走る。ハァハァと息を切らしながら走っていく。逃げたあの日を思い出す。アル様から逃げたのに今はアル様の元へ走っている。不思議なものだ。笑ってしまう。
待ちなさいよ!て追いかけてくる。居なくなった事にやっと気づいたか。3人でさらに盛り上がっていたのだろう。思ったより遅かったな。
必死な顔で追いかけてくる妹が狂気的だ。街の人が避けている。
ミリア様だ!ミリア様がいた!と声がすると同時に温かいものに包まれた。知っている温もりに安心する。
「アル様ごめんなさい。」
「ミリィが無事ならいいよ。怪我は無い?」
抱きしめられたまま確認される。嬉しくなりふふっと笑う。ギューッとアル様を抱きしめる。アル様は嬉しそうだ。
「私のよ!離れなさいよ!」
妹が追いついた。
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