表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き神と、願いの星  作者: 相田 依人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/78

第七十二章

 平井達は、エレベーターを使わず、地下に続く階段の前に来ていた。


 ライフルマンが慎重に踊り場まで降りて、進行方向を確認する。


 クリア(異常無し)。


 ハンドサインが送られてくる。


 ギッ……


 ギッ……


 ブーツのソールが、床を噛み締める音が響く。


 異臭がしてくる。


 物音はしない。


「ち、いかにも何か待ち構えてます。って感じだな…」


 鈴木が呟く。


「ああ…。何か待ち構えてるさ……。受付から妖魔化されていたんだからな……」


 平井も、鈴木の意見に同意する。


「妖魔化されて……人間の知性があると……厄介だよな……」 


 冨田が呟く。


「ああ…。やり難いぜ、今回の任務は……」


 平井が慎重に階段を降りながら言う。


 ポイントマン(先頭)から、インカムに連絡が入る。


「地下1階に到着…異常無し。地下2階に進みますか」


「そうしてくれ…。今回の任務は、零と慎一君の救出が最優先だからな…」


「了解」


 ポイントマンは、慎重に地下2階に向かう。


 平井が地下1階に到着し、さらに階段を降りようとした時……


 ギッ……


 ギッ……


 床を踏みしめる音がした。


 全員が動きを止め、地下1階に注意を向ける。



 明るいフロア。


 細長い廊下。


 そして…


 廊下にあるドアが、ゆっくりと開く。


 

 カチャ…



 ライフルの安全装置を解除する音が耳に入る。


「まだ…撃つなよ…」


 平井が低く言う。


 ——だが、その指は、いつでも引ける位置にあった。

 


 ドアから出てきた男が、平井達の完全武装した姿を見て慌てる。



「うわっ!何なんですか…あなた達は……」 


 その声、


 その態度、


 その姿は…


 特異隊の研究員の、普通の姿だった。


 銃口が研究員を捉える。


「や……止めてください!……僕も特異隊のメンバーなんですから!」


 男の態度は、銃口を向けられた人間の、普通の態度だった。


「所属と名前を言え!」


 冨田が叫ぶ。


「け……研究班……精神科の……い……伊藤 輝明…です……」


 ライフルマンが、タブレットで隊員名簿を確認し、平井に頷く。


 しかし、



 銃口は向けたままだ。


「他の職員は?」


「け……研究室の中にいます……」



 鈴木が平井に近づき、声をかける。


「どうする、平井…。先に…このフロアを掃除するか……」 


「いや……。時間をかけるのは、リスクが高過ぎる……」


 平井が答える。


「伊藤…さん…。悪いが、地下2階の隔離室まで、案内してもらえないかな」


「隔離室……ですか?」


「ああ…。妖魔化された民間人がいるだろ?」 


 平井が尋ねる。


「いないと思いますよ……」


 その場にいた全員が、耳を疑う。


「本当か…」


 冨田が、伊藤に尋ねる。


「ええ。アレ?今日、入ってくる予定なんですか?」


「いや……数日前から、研究棟に入っている筈だが…」


 平井の言葉にも、戸惑いが滲む。


「隊長、とりあえず隔離室を確認したほうが……。この男も完全に信用するわけにはいきませんし……」


 橘も、自分の意見を言う。


「そうだな…。伊藤さん…、とりあえず隔離室まで案内をお願いします」


「いいですよ。じゃあ…行きましょうか…」


 伊藤は先頭に立って、階段を降り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ