表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き神と、願いの星  作者: 相田 依人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/78

第六十九章

 平井が隊員の前に立つ。


 本来なら、2個小隊で24名いるはずだが、先日の廃墟崩落事故により、多数の隊員が負傷、死亡したため、今、平井の前に立つ隊員は、平井を含めて17名しか居なかった。


 居並ぶ隊員の全員が、今回の出動がいかに特殊なものか理解していた。


 通常なら、警報と放送で招集される。


 任務内容も、


 状況も、


 すべて共有される。


 ——だが今回は違う。




 平井の名前だけで集められただけだ。




 誰もが、気がついていた。


 だが。


 誰も口にしない。


 


「全員、集まったな」


 平井が隊員を見回す。


「これより、救出任務を遂行する。救出対象は、東雲隊長と慎一君だ!」


 空気が張り詰める。


 東雲隊長と慎一君の救出任務……


 2人は研究棟で、精密検査をしている……


 筈だ……。


「なお、今回の任務は俺の個人的な感情による任務だ。無理にとは言わん。やりたくない者は今直ぐ、外れてくれ」



 誰も動かない。


 誰か外れる者がいたら、自分も……と、周りを見回す者もいない。


 全員が、平井を見て、指示を待っている。


「ありがとう……みんな……」


 平井が感謝を述べる。


「隊長、慎一君の救出任務は継続中の任務です。13、15小隊、任務を継続します!」


 橘が発言する。


「東雲隊長の救出任務となれば、15小隊は全員で任務を完遂します!」


 平山が次いで発言する。


 平井の口角が、ニヤリと上がる。


 満足気に。


「わかった!全員にとってのやりかけの任務だ!今日で、この任務にケリを付ける!」


「はい!」


 全員が答える。



 その顔には、恐怖ではなく——


 任務に立つ者としての昂りが浮かんでいた。



「ただし!」


 平井が叫ぶ。


「今回の相手は、特異隊研究班……ハッキリ言って……主に、前田班長とその取り巻き連中だ。発砲はするな!」


 平井は、少し躊躇って…


「妖魔以外はな!」


 と、付け加える。


「了解しました!」



「よし!行くぞ!」




 ーーこの事案…、俺の首だけで済めばいいがな…


 平井は、1人で隊員の責任を抱え込む。


 平井を先頭に、集まった隊員が歩き始める。



 初めて——


 “人間”を相手に。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ