女性不信と偏見
「え? あの女性嫌いで有名な公爵様が気に入られたのですか?
それは凄いですね」
とガブリエル夫人までが信じてしまっています。
「アンネマリー様、そんな事はないと思いますよ。
アルフォンス様は、私の境遇に同情的なだけです。
それにジュリアン様にお願いされて断れなかっただけですわ」
私は一生懸命に2人に弁明します。
「ステラ様がそう言うのであれば、そう言う事にしときますわ」
とアンネマリー様は言いますが、全然納得してくれてないようです。
私などと噂にでもなってしまったら、アルフォンス様に申し訳が立たない。
「でもね、ステラ様。
お兄様は何の興味もない女性に名前で呼ばせたりしませんわよ」
とニヤリと笑うアンネマリー様。
私もアルフォンス様と呼ぶのは、恐縮してしまうのだけれど、公爵様って呼ぶとさびしそうなお顔をされる上にわざわざ訂正されてしまうのだからどうする事も出来ません。
「ともあれ、お兄様の偏見が変わるかどうかはステラ様にかかっていますわ、ステラ様よろしくお願いします」
とアンネマリー様に手をにぎられました。
「偏見ですか?」
私はアルフォンス様が何に偏見を持っているのかよく分かりません。
「今まで、公爵様の回りには何とか公爵に気に入られて夫人の座に付こうとする令嬢ばかりだったのですよ。
相手の事を何も考えず自分を見ろ自分を選べと迫ってくる女性が魅力的な訳がありませんでしょう?
公爵様にとって女性は面倒で話の通じない恐怖の対象でしかなかったのですわ」
とガブリエル夫人がアンネマリー様の代わりに説明してくれました。
「お兄様が若くして公爵を継いでしまった弊害ですのよ。
両親が婚約者を決める前に亡くなってしまったから、余計に面倒な事になってしまって…」
今までアルフォンス様は婚約者の座を狙うご令嬢達に、あの手この手で迫られてそれこそ命の危険さえ感じてしまう程だったとか。
それがまだ少年期の多感な時期なら女性を怖がったり嫌悪する様になる理由としては十分だったでしょう。
今では極力社交の場には参加せず、公爵家の仕事に専念して女性との接触を極力避けているのだとか…
公爵家にお世話になる様になって、そんな素振りは全然なかったのに、アルフォンス様がそんなに大変だったなんて、なんだかとても同情してしまいそうです。
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