すいません
「ステラ様?」
ガブリエル夫人が私の顔を見ました。
「夫人のお店に来た無礼なお客とは、ダートン伯爵夫人と令嬢だったのですか?」
私は確認するように聞きました。
「ええ、話を聞いた後彼らの事を調べるとお茶会や夜会に出て私の店の事を悪く言っていたようです。
しかし私の顧客は伯爵家よりも地位も高く力もお持ちの方々が多かった事で反対に立場を悪くしたみたいですね」
と呆れるように言っています。
「私がお店から退店をお願いした他の方々はその辺も分かっておられる場合が多いのですが」
「そうね、普通ならガブリエル夫人のお店から出入り禁止になった不名誉をわざわざご自分で広める人はいないわよね」
とアンネマリー様も呆れています。
自分の事でもないのに、いたたまれない気持ちになってきました。
「す、すいません」
「なぜステラ様が謝られるのです? まさかお知り合いてすか?」
「知り合いというか…」
私は何となくアンネマリー様をみてしまった。
「ダートン伯爵… ああ、そうだったわね。
あなたの事を追い出したバカな伯爵家の名前と一緒だわね」
とアンネマリー様も気が付かれて、
「愚か者だと思っていたけど、ここまでおバカさんだとはむしろ笑えてくるわね。
帰ったらお兄様に報告しましょ?」
となぜか楽しそうです。
そして、私に許可を取るように説明しても言いかと聞く。
私は黙って頷きました。
ガブリエル夫人は信用出来る方だと思うし、言ってみれば私と同じ魔女の被害者と言える方だし。
アンネマリー様は私がダートン伯爵と婚約をしていたが不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されてすべての持ち物や財産を奪われてしまったと夫人に説明してくれました。
「そんな話聞いた事ないです。
確かに貴族同士の婚約や解消、破棄は珍しくありませんが、結婚前に自宅に住まわせ私物を運ばせておいて身一つで追い出すなんて…
普通ならご実家が黙ってないのでは?」
「それが実家の子爵家にはもう両親が亡くなっていないのです。
今は父の再婚相手と腹違いの弟だけなので」
と私は子爵家からも縁を切られていると語りました。
「そんな訳で縁あって公爵家にいてもらっているのよ。
それにお兄様が珍しくステラ様を気に入ってるの」
とアンネマリー様がすごい事をおっしゃいます。
アルフォンス様が私を気に入っているなんて、そんな事はありません。
ジュリアン様の尻拭いだと思われているだけに違いありません。
そんな事は…ぜったいに…
お読み頂きありがとうございます。
作品制作の励みになりますので、いいねやブックマークをよろしくお願いします。




