まさか!?
夫人はその時の事を思い出したのか、眉間にシワを寄せた。
そんな顔をしてもかっこよさは変わらない。
「まったく、私のかわいい従業員をまるで自分の家の使用人の様に扱って、しかもその扱いの酷いこと!
はぁ〜本当に気分が悪かったですわ」
「あまりにひどい態度でしたから、お帰り頂こうと私が出て行ったのです。
ですが、そんな地味な格好をしている女が店主のナンシーガブリエルの筈がないだとか、由緒正しい伯爵家の私達がわざわざ来てやっているのに態度が悪いだとか、散々悪態をついて、何でもいいからドレスを売れと帰ってくれないのです」
話しているうちにどんどんその時の感情が蘇ったのか、ため息を吐き出しました。
本当に大変だったのだと、聞いている私達も分かるほどです。
「災難だったわね。 それでその愚か者達はどうしたの?」
と同情はしつつもアンネマリー様はちょっと愉しそうに聞いています。
「最終的には公爵家から来ていただいている警備騎士様にお願いして、追い出して頂きました。
その際もずっと叫んでいましたわ。
こんな事をして只では済まさないとか、皆にこの店の横柄な態度を言い振らすとかいろいろ言っていましたね
はぁーー」
さらにさらに長ーいため息を吐き出すガブリエル夫人。
お疲れ様でした。
何でもサン・ジュスト公爵家からこの店の警護の為に護衛騎士を派遣しているそうです。
これは前公爵夫人と王妃様がこの店を心配して半永久的な約束として結ばれたものらしいです。
それだけ、皆さんがガブリエル夫人の才能と考えを支持していると言うことなのでしょう。
「いったいどこの伯爵家かしら?
愚かでみっともない。
王妃様が知ったら激怒しそうですわね」
とアンネマリー様が言います。
「その時は私もちゃんと話を聞く間もありませんでしたし、あちらからは伯爵家と言うだけで家名を名乗られなかったので、どちらの伯爵家か分からなかったのですが、先日ボルド侯爵夫人に、お会いした時に言われたのです。
ダートン伯爵夫人と令嬢があなたの悪口を言い触らしているわよってね」
「え!?」
私は思わず大声を出してしまいました。
まさか本当にあの家の魔女達だとは。
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