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不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されましたが、お陰様で素敵な恋人が出来ました。  作者: 井波裕子


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ガブリエル夫人の思惑

ガブリエル夫人はニッコリ微笑みを向けます。

年齢は義母より上であるはずなのに、なんともチャーミングな微笑みだった。


「言葉のままですわ。ステラ様はちゃんと私の意図を汲んでくれていたので、さすがと言ったのです」

とガブリエル夫人が言いますがやっぱり何の事やら分かりません。


「ステラ様は違和感を感じたとおっしゃったでしょ?

夫人は圧倒的な素晴らしい衣装を来店した方に見せつけた後、挨拶に現れた自分を見た方の反応を観察しているのよ」

とアンネマリー様が捕捉してくださいました。


「え? お客様を観察ですか?」


「そうなのです。

もともと私はサン・ジュスト前公爵夫人つまりはアンネマリー様のお母上のお抱えデザイナーでした」

なんと!サン・ジュスト前公爵夫人のデザイナーだったとは。

意外な事実が飛び込んできました。

アンネマリー様のお母様であるサン・ジュスト前公爵夫人はテレシア様と言って社交界でも一目置かれる存在だったとか、そのテレシア様に才能を認められて彼女の為にドレスを作ってきたそうです。

そして、公爵夫人の後押しでお店を開かれたそうですが…


「開店当初、ここへ来られるお客様は殆ど公爵家や王家の方にあやかりたいと思って来られる方ばかりです。

大して気に入っていなくても、ナンシー・ガブリエルの店で買った、作ったと言う事実だけがほしいのです。

私は商人ではなく、物を作る芸術家だと思っております。

だから、嫌いな方、気にくわない方にはドレスどころかリボン1本売りたくないのです」

とまたとても素敵な笑顔で過激な事をおっしゃいます。


内容はある意味辛辣ですがお顔だけ見ているととても楽しげに話しているので、少々混乱しそうになります。


でも、分かる部分もあります。

貴族は見栄をはって相手を牽制する方が大半を占めています。

社交界などは、周りに弱みを見せてはやっていけないらしいです。

侮られない為に少しでも力がある振りをする。

力がある者と繋がりがあるように見せる事に必死なのだろう。

この国の中級貴族は殆どがそれに捕らわれて右往左往している気がする。


その人たちがガブリエル夫人は気に入らないと言っているのかな?



お読み頂きありがとうございます。


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