女性不信と気付き
アルフォンスとステラは毎日晩餐を一緒に取り、その後応接間の暖炉を見ながらいろんな話をするのが日課になりつつあった。
アルフォンスは貴族令嬢なんていつもドレスと宝石を気にして、相手と自分を比べて優位に立つ事ばかり考えている様なイメージがあった。
この女性に対しての片寄った思考には理由がある。
若くして両親をなくし公爵と言う大きな重責の地位についてしまった為に社交界デビュー間もない頃より、公爵夫人へ立候補をアピールするような女性しか彼の周りには現れなかった。
この様な女性は皆自分の美しさや家柄をアピールし、ライバルの悪口を平気で口にする。
謙虚さや恥じらい、気遣い等どこにもない自分さえよければという自己中心的な思いが内面の醜さとなり顔に滲み出るようで、どんなに着飾った令嬢を見ても、見るに絶えないような気分にさせられた。
その上令嬢達の自己中心的な考えはどんどんエスカレートし、行動として現れ始める。
飲み物に媚薬を入れられかけたり、偶然を装い密室に2人だけになった途端迫られたりと散々な面倒を被った。
多感な時期の男の子にとってこの出来事は女性不信になる原因としては有り余るほど大きな事であったのだ。
そんなアルフォンスから見てもステラとの会話はとても楽しいものだった。
ステラの話は馬屋の横に出来たもぐらの穴の話や屋根裏でこっそり飼っていた子猫の話から子爵家が行っていた事業の話まで幅広く興味深いものばかりだった。
アルフォンスが知っているような令嬢がするドレスや化粧、宝石の話は出て来た事がなかった。
最初アルフォンスはそれに驚くほど衝撃を受けた。
だから、聞いてみた。
ステラはドレスや化粧など令嬢がよくする話は興味がないのかと。
するとステラは事も無げに言った。
「アルフォンス様はその様な事は興味がないでしょう?
会話はお互いが楽しい話のがいいと思いませんか?」
確かに今まで話した事は私がステラに話した事から派生していったものばかりだった。
お互いがした話から話を膨らまして会話を楽しむ。
アルフォンスは女性とこのような体験をした事が始めてだと気が付つかされた。




