公爵家の使用人
「ラリー ステラの様子はどうだ?」
次の日外出から戻ったアルフォンスが侍従長のラリーに聞きます。
「ステラ様に付けているアンナの話では伯爵家では侍女を付けてもらえなかったようで、その時のクセが抜けずご自分で身の回りの事を何でもやってしまわれる様でアンナが呆れておりました。
しかしアンナの仕事を取ってはいけないと何度も反省するのだとアンナが笑って報告して来ました。
アンナも気さくでお優しいステラ様を気に入っている様子です」
「そうか」
アンナはこの公爵家の侍女の中では若いがよく気がつくし、裏表のない性格でラリーが信頼を置いている1人だ。
だからこそ彼女の側に置けばアンナが彼女の人となりをしっかり観察し、自分が仕えるべき人物か見極めると思った。
この公爵家では侍従も侍女も主が絶対服従の存在ではなかった。
アルフォンスの考えは彼らが自分を主人として認める事が大事だと思っていた。
自分が尊敬出来る自分でなければ、人は離れていくだろうと。
力で支配するのではない、アルフォンス自身にその器があり、使用人の信頼を勝ち取れれば裏切られる確率は減るし、それだけ自分の仕事や使命にプライドを持って仕えてくれるはずだと考えていた。
だからこそ、この公爵家の使用人は庭師から雑用係まで自分の仕事に誇りを持ってアルフォンスの為に日夜頑張っていた。
アルフォンスは使用人すべての名前と顔を覚えていたし、事あるごとに声をかけ交流を持つ事を大切にしていた。
この中で侍従長のラリー、侍女長のサラから信頼の厚いアンナはアルフォンスも頼りにしていた。
たまにこのお邸に招かれる大切な客や訳ありの客など、どんな人物にも対応出来る高いスキルを持っている上、人を見る目はかなり高く、そう言った意味では気難しくもあった。
アンナは仕事としてどんな嫌な相手でもプロとして完璧にこなすが、気に食わない相手には決して心を開く事はない。
そんな性格だからこそ信用出来るのだ。
そんなアンナが気に入るステラにますます興味をもつアルフォンスだった。
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