婚約破棄の夜の公爵家
時は少し戻って、ジュリアンがステラを連れてきた夜、アルフォンスが書斎で執務をこなしてしいると。
「アル~ 頼みがあるんだけど。
いいかい?」
「リアン、いきなりだな。
どうした?」
「実は令嬢を1人この邸に置いてくれないか?」
「どう言う事だ? またお前何かやったのか?」
アルフォンスはジュリアンを睨みます。
「うーんやったと言うか… 巻き込まれたと言うべきか」
ジュリアンは手短に今日起こった事を説明する。
「そんな馬鹿みたいな事を伯爵家の人間がするのか?
伯爵家を語る偽物なんじゃないのか?」
とアルフォンスは疑いの目でジュリアンを睨む。
ジュリアンは慌てて両手を振りながら弁解する。
「いやいや、本当なんだって。
仮に嘘だとしても、世間知らずの子爵令嬢を放り出す訳にはいかないだろ?
どちらにしろ明日からダートン伯爵家の事は調べるつもりだし、いずれいろんな事が分かるさ。
何の罪もない女の子を泣かせる片棒を担がされた借りは返したいからね」
アルフォンスはため息をつき問いかける。
「そうだとしても、なぜ自分の家に連れて帰らない?」
「そんな事出来る訳ないだろ。母上に知られたら八つ裂きになる。
それにマリーにもね」
マリーとはジュリアンの婚約者の侯爵令嬢だ。
「その点アルの家なら変に勘ぐる相手もいないだろ?」
「確かにうちには小言を言う両親も焼きもち焼く婚約者もいないが…
来週にはアンが帰ってくる」
アンはアルフォンスの妹で、寄宿学校へ行っている。
「アンなら大丈夫さ。
ステラの身の上を聞いたら同情してくれる」
とジュリアンは都合のいいことを言う。
確かにあいつならそうだろうな。
とりあえず、その子爵令嬢に会ってみるべきか…
アルフォンスは侍従長のラリーを呼ぶ。
「お呼びですか?」
直ぐ様ラリーはやって来た。
「すまないが、リアンと一緒に行ってこいつが連れてきた令嬢をここへ案内してくれ。
大まかな理由はリアン本人から聞いてくれていいよ」
アルフォンスはラリーに指示する。
「かしこまりました」
ジュリアンとラリーは一緒に部屋を出た。
「ジュリアン様、また問題事を持ち込まれましたので?」
「人聞きの悪いこと言わないでよラリー。
俺は人助けをしてるだけ」
ジュリアンは理由を説明する。
「なんにせよ、わが主人に面倒事を押し付けるのでしょう?
まぁ最後に決めるのはアルフォンス様ですが」
とラリーは肩を竦めて歩く速度を上げた。
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