公爵家の晩餐
晩餐はまた公爵様とご一緒にと言われ、アンナが持ってきた素晴らしく上等なドレスに着替えさせられた。
「アンナ、確かに私は公爵様と食事をするのにふさわしいドレスは持ち合わせていないのだけれど、こんな上等なドレスを私などが着ていいのかしら?
今日1日全て公爵家で用意してもらった衣服を着てしまっているけれど、そこまでしてもらう程の理由がないのよ」
「ステラ様がご主人様からどのように言われているか、私は知りませんが私達はご主人様の指示でこうしておりますので、何も心配される事はないと思いますよ」
そう言われると何も言えない。
食堂へ行くとすでに公爵様は待っていた。
「こんばんは、サン・ジュスト公爵様、遅くなりまして申し訳ございません」
「いや、私が早く来ていただけだ。
そう気にする事はない」
そう言ってわざわざ席を立ち、私を席までエスコートしてくれる。
さすが公爵と言う立場の方はすべての立ち居振舞いが違うなぁと感心してしまう。
「ステラ嬢、そろそろそのサン・ジュスト公爵と言うのはやめてくれ。
家にいるのに落ち着かない」
と席に落ち着くと言われました。
「で、では何とお呼びすれば…」
「アルでいいですよ。
当分ここで一緒に過ごすのだから」
「そんな… さすがにそれは失礼かと、ではアルフォンス様とお呼びします。
私の事はステラと呼び捨てて下さいませ」
「うーん。 ステラと呼べるのは嬉しいけれど、まぁいいでしょう」
とちょっと残念そうです。
さすがにアルなどと、愛称で呼ぶなんて厚かまし過ぎるもの。
奥様が聞いたら気を悪くするわ…
あれ? そう言えば公爵様の奥様ってどうしたのかしら?
領地にいるとか?
昨日から話にも出てこないし… 後でアンナに聞いてみよう。
さすが公爵家の晩餐はとても素晴らしく天にも昇るほど美味しかった。
ただ、いつもの倍に近い量がどの皿にも乗っていて、流石に平らげる事は出来ませんでした。
「ステラは少食だな。
それとも口に合わなかったかな?」
「いいえ、とても美味しいです。
ただこれでも普段伯爵家で食べていた量よりはるかに多く食べているんですよ」
何せ、使用人と一緒に夕食は取っていましたから、煮込みや具だくさんのスープとパンなど軽いものでした。
だから、私の胃もすっかり少食に慣れてしまっていた。
こんなに何皿もあるフルコースはいつぶりだろう。
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