いい子にしてて
ドアをノックするのはどうやらジュリアン様のようですね。
「どうぞ、お入り下さい」
ドアを開けて入って来たのはやはりジュリアン様でした。
「おはよう ステラ嬢」
「ジュリアン様、もう3時ですよ?」
「うん。 知ってるよ。
でもお昼寝から覚めたからおはようさ。 それに僕もついさっき起きた所だから」
「なるほど」
私がお昼寝してたことを聞いたのですね。
と言うかついさっき起きたって言いました?
「アルから聞いたよ。
君はここでいっぱい食べて、毎日お昼寝してゆっくり体の疲れを取るんだよ。
それから、僕はちょっと自分の家に帰ってくるから。
それとあのデボラっていう令嬢にも会ってくるよ。
騙されたままでいるのは、好きじゃないし、このままにするのも癪だしね。
報酬をいただくのに、もう一度会う約束をしているんだよ。
何も知らないフリして、いろいろ相手の事を聞き出してくる」
「デボラ様に? あの私の事を話しますか?」
ジュリアン様の事は信用したつもりですが、もしや両方にいい顔するような人だったらどうしましょう。
「え? そんな事しないよ。
あんな性悪な女性初めて見たし、出来るなら関わりたくないけど、ステラの今後の事もあるから出来るだけ敵の情報は仕入れて置かないとね」
そう言ってジュリアン様はニッコリ笑いました。
なるほど、ジュリアン様は私の為にデボラ様と会ってあちらの様子を伺ってくれる気なんですね。
そう聞いてほっとしました。
「また数日したら、戻ってくるから、アルの言う事聞いて、いい子にしててね」
そう言って部屋を出ていきました。
いい子にしててって、私とジュリアン様はそんなに年も違わないと思うんだけれど。
私は何となく納得いかない気持ちで、冷めたお茶を飲みながらスコーンを食べました。




