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前世のペットを召喚できる俺、どの子もこの世界では規格外でした ~レベル解放で家族が増える召喚士~  作者: いたちのこてつ


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第28話 新人教育のサポート

「特別協力者」として回ってきた最初の案件は、新人騎士たちの「野外訓練サポート」だった。


カケルは騎士隊長エアリス・ヴァインに呼び出され、街近郊の演習場へと足を運んでいた。そこには、口数少なく装備を確かめる新人騎士たちが並んでいる。


「実は、これから彼らを連れて森での実戦訓練を行うのだが……彼らは剣の素振りや対人稽古は積んでいるものの、本物の魔獣と刃を交えた経験がまだなくてね。例の異変以降、森の魔物の動きも不安定だ。不慮の事故を避けつつ、彼らに生きた実戦経験を積ませるため、君の家族たちの力で安全管理をサポートしてほしいんだ」


エアリスの説明に、カケルは冷静に頷いた。カケルの戦い方は、敵を倒すことよりも「場をコントロールすること」に長けている。だから呼ばれた――そう判断されたのだろう。


一時間後、カケルは新人騎士たちと共に森の入り口に立っていた。


「……おい、あのDランクが『特別協力者』か?」

「ああ、例のフォレストガーディアンを仕留めたっていう……。でも、連れているのはただの小鳥やトカゲじゃないか」


新人騎士たちは、カケルの肩にいるワサビ君や、周囲を飛び回るキンカチョウたちを値踏みするように視線を寄こしていた。カケルはそんな視線を意に介さず、淡々と「家族」たちに指示を飛ばす。


「キンカチョウたち、前方百メートルまでの索敵。大型の魔物や、数が多すぎる群れがいたらすぐに教えて」


四羽のキンカチョウが音もなく樹冠へと消えていく。カケルは目を閉じ、ナビゲーターを介して脳内へ逐一流れ込む、索敵結果の音声報告に意識を集中させた。


「エアリスさん。八十メートル先の窪地にゴブリンが三体。周囲に隠れている増援はいません。新人騎士たちの足慣らしにはちょうどいい相手です」


「……よし。全員、抜剣! 前方に索敵済みの獲物がある。各個撃破せよ!」


エアリスの号令に、新人たちが突撃する。


通常、野外訓練で最も恐ろしいのは死角からの不意打ちだ。しかし、カケルは索敵報告を拾い続け、死角が出ないよう神経を張っている。


おかげで、新人たちは背後を気にせず、目の前の敵に集中することができた。


「次はもう少し手応えのある相手をお願いできますか?」


一戦終えて意気揚々とする新人たちを見て、エアリスがカケルに耳打ちする。カケルは頷き、頭上のオカメインコを見上げた。


「ほっぺ、お願い。西側の林にホーンラビットの群れがいるから、こっちに誘い出して。新人の手合わせにちょうどいいはずだ」


「ホッペチャン!」


ほっぺが短く応じ、林へと飛び込む。数分後、ほっぺの絶妙な【呼び寄せ】によって、誘い出されたホーンラビットの群れが、新人たちの目の前へと誘導されてきた。


「なんだ、向こうから来たぞ!」

「落ち着け、連携を確認しろ!」


新人たちは、カケルが用意した「安全な実戦」を繰り返した。


強すぎず、弱すぎず。カケルはキンカチョウの索敵で安全を確保し、ほっぺの誘導で適切な負荷を与え続けた。もし不測の事態が起きそうになれば、影に潜む茶渋やワサビ君が、新人たちが気づかないうちに、脅威になりそうな魔獣を訓練線の外へ追い払っている。


夕刻。訓練を終えた新人騎士たちに、怪我人は一人もいなかった。それどころか、効率的に魔物と対峙し続けたことで、彼らの表情は明るくなり、声にも張りが戻っていた。


「素晴らしい手際だ、カケル。君がいるだけで、森がまるで管理された訓練施設のように制御されている。これほど死傷者ゼロで、かつ密度の濃い訓練ができたのは初めてだ」


エアリスの称賛に、新人たちも深く頭を下げる。


「ありがとうございます、カケルさん!」

「小鳥なのに、いろいろなことができるのですね!」


カケルは照れくさそうに、戻ってきたキンカチョウたちを腕に迎え入れた。


「いえ……頑張ったのはあの子たちですから」


家族たちの能力を正確に把握し、その連携を細部まで目を配って管理する力。この訓練を経て、現場にいた新人たちの距離を測っていた視線が、いつの間にか頼るようなものに変わってきたように、カケルには思えた。


カケルは礼を受け流しながら、別の計算をしていた。これだけ実績が積めれば――家を建てる土地の話も、少しは前に進むかもしれない。

執筆の励みになりますので、続きを読みたいと思っていただけたら、ぜひブックマークよろしくお願いします!評価もいただけると嬉しいです。


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