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俺が強すぎて人生ハードモード  作者: 雨宮悠理
Phase3 動乱の学園
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提案と葛藤

 マヒロたちを取り囲む崩壊する校舎の悲鳴は、止まる気配を見せなかった。

 割れた窓ガラスが散乱し、天井がきしむ音に混じって、生徒たちの悲鳴が響く。

 何人かは崩れ落ちる床と共に闇の底に消えた。


「クソッ……!」


 マヒロは歯を食いしばった。拳を握り締める。だが、どう足掻こうと、この状況を一瞬でひっくり返せる術などない。


「みんな、こっちだ!」


 カイが叫び、キョウゴが砕け散る壁を素手で吹き飛ばしながら退路を作る。

 ルナは負傷した生徒を抱え、必死に走っている。


「……アレク!」


 マヒロは声を絞り出し、振り返る。


 崩れた廊下の向こう、埃の帳を抜けて現れる長身の男。黒いコートを翻し、整った顔立ちに似合わぬ冷酷な瞳を携えている。


「貴様、いい加減にしろよ……!」


「随分な言われようだな。私はただ、お前たちに提案しに来ただけだ。淡海マヒロ、お前はもう知っているだろう」


 アレクは表情を一切変えず、淡々と言う。


「ちっ……」


 マヒロが睨む。


「私はサクラ嬢を連れて行きたいだけだ。こちらも無駄に死人は出したくない。大人しく差し出してくれれば、それで済む話だ」


 場の空気が凍りついた。サクラが息を飲む。


「……どうして……私を……?」


「理由を話す義務はない」


 アレクは冷淡に切り捨てる。


「だが、貴様らタイタニアなら理解できるはずだろう。彼女が“特別”だということくらい」


 サクラが震える。


「サクラを……お前らに渡す訳がないだろう……!」


 マヒロが低く唸るように言った。


「そうか」


 アレクは揺るがない。


「何も貴様ら全員を潰すつもりはない。だが、抵抗するなら……結果は見えているだろう」


 その視線は、確信に満ちていた。


「サクラ……」


 マヒロが隣を見ると、サクラは唇を噛み締め、一歩前に出ようとしていた。


「……私が行く」


 その言葉に、マヒロは反射的に腕を掴んだ。


「ふざけんな……!」


「でも、マヒロ君……」


 サクラは必死だった。


「これ以上、誰かが死ぬのは嫌なの……!」


「だからって……お前一人で……!」


「いいじゃない。私が行けば、みんな助かるんだよ……!」


 サクラは涙を堪え、笑おうとした。


「私は……マヒロくんみたいに強くないから……!」


 マヒロは言葉に詰まる。


「やめろ……そんなの俺は許さねえ……」


 目の前の少女が、震える声で、命を差し出そうとしている。


「私なんかで……みんなが助かるなら……」


「ふざけんなって言ってんだろ……!」


 マヒロの声が震えた。


「お前がいなくなって、何が助かったって言えるんだよ……! そんなの……そんなのは……!」


 視界が滲む。


「俺は……そんな助かり方、望んでねぇ……!」


「マヒロ……」


 サクラが目を見開く。


「悪いが、こちらも長くは待てない」


 アレクが無情に言い放つ。


「どうする。私にサクラ嬢を渡すか? それとも、力ずくでいくか?」


「……」


 マヒロは唇を噛み、拳を握り込んだ。


「お前らが……サクラを狙ってるってんなら……」


 マヒロは一歩踏み出した。


「……俺たちを殺す覚悟で来てんだろうが……!」


「……!」


 サクラがマヒロを見つめる。


「誰が渡すか……! 俺たちは、絶対にお前らなんかに負けねぇ……!」


 その言葉に、仲間たちが呼応する。


「役に立つか分からんが、俺もいる!」


 カイが力強く拳を握る。


「芹沢をお前一人に背負わせるつもりはねぇよ」


 キョウゴが続く。


「ここでお前らに屈したら……漢が廃るだろ」


ルナも、静かに頷いた。


「……私も……皆さんを守ります」


「お前ら……」


 マヒロは仲間たちを見回す。


「くっ……!」


 サクラが涙を拭った。


「みんな……ごめん」


 アレクはその様子を、淡々と眺めていた。


「そうか……」


 彼は一度、小さく息を吐く。


「ならば、仕方ないな」


 再び、右手がゆっくりと持ち上がる。


「私も手加減はしない。全力で潰させてもらう」


 空間がねじれる。


「構えろ……!」


 マヒロが叫んだ。

みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!


こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!

この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!


ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。


そして最後に……

いいねやコメント、本当に励みになります!

いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!


それでは、今日も物語の世界へどうぞ!

お楽しみいただけますように!

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