開放の序曲
「ルナさんっ、大丈夫……?」
サクラが荒い息をつきながら、必死に声を張る。
「はいっ……! でも……!」
ルナも必死だった。
地面に縛りつけられるかのような不可解な力。リディアの冷徹な視線。
何をしても、じわじわと逃げ場を奪われていく。
サクラも分かっていた。
(……このままじゃ、マズい)
そして、手に感じる“あの力”。
一度使ってしまえば、もう後戻りできなくなるかもしれない。
――怖い。
だけど、このままじゃ――。
「どうします?」
リディアの無感情な声。
淡々と、まるで彼女たちが息絶えるのを待っているかのように。
サクラは歯を食いしばった。
(どうすんの、私……)
力を解放する?
それとも、最後まで粘る?
どうすれば――。
「サクラさん!」
不意に、ルナの声。
息を切らせながら、それでも真剣な眼差しだった。
「無理に、力……使わなくても、いいです……!」
「……え?」
サクラが思わず目を見開く。
ルナは真っ直ぐサクラを見つめていた。
「サクラさんが……怖いなら、無理しないでください」
「でも……」
「私が、戦いますから!」
言い切った。
決意に満ちた目だった。
サクラの胸に、ズキンと衝撃が走る。
「……ルナさん……」
「私は、サクラさんに守ってもらってばかりでした。でも……今は、私が守りたいんです」
必死に言葉を絞り出すルナ。
その姿を見て、サクラは強く心を揺さぶられていた。
「……守る、って……」
私が、守られる側?
ずっと“守る側”だと思っていた。
タイタニアとして、普通の人間とは違う能力を持つ者の責任として。
ずっと“強くなきゃ”って思っていた。
でも。今、目の前で――。
「……ルナさん……」
サクラの唇が震えた。
(こんなの、無理だよ)
自分のせいで、ルナが傷つくなんて。
そんなの、絶対に嫌だ。
「……もう、いいよ」
サクラはそっと微笑んだ。
――その笑顔に、ルナはハッと息をのむ。
「サクラさん……?」
サクラはゆっくり左手を握る。
その手の中に、鍵が見える気がした。
「私が、守るから」
その言葉に、ルナの目が大きく揺れた。
「でも……!」
「大丈夫」
サクラは震えながらも、はっきり言った。
「大丈夫だから」
そして、そっと目を閉じる。
(覚悟、決めるんだ……)
もう、迷わない。
もう、後戻りしない。
(私も、前に進むんだ――!)
パチン。
“岐路”に、手をかけた。
ズズン――!
空間が歪む。
「……!」
ルナが息を飲む。
「これは……」
「ふぅん」
リディアが初めて、興味を示すように瞳を細めた。
「やっと、見せてくれるんですね」
サクラはゆっくり、瞳を開いた。
そこには――強い決意が宿っていた。
「行くよ、ルナさん」
「はい!」
「……っふ」
リディアも、わずかに口角を上げる。
「では、始めましょう」
次の瞬間――。
ズシャァァァァァ!!
轟音と共に、三人の激突が始まった。
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
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それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
お楽しみいただけますように!




