狩りの時間
「ふぅん……面白いじゃない?」
ラヴィニアはしなやかに腰をくねらせ、妖艶な微笑みを浮かべた。
「ねぇ、もっと見せてくれる? あなたたちの “本気”」
その言葉と同時に、ラヴィニアの体から薄桃色の光が滲み出す。
──ゾクリ、とした悪寒が背筋を走った。
カイも、キョウゴも、一瞬で “何かが起こる” ことを本能で察した。
「……こいつ、さっきまでとは違うぞ」
「おいおい、マジか……」
カイが息を呑んだ瞬間──
「──狩りの時間よ?」
ラヴィニアの全身から放たれた光が、波紋のように広がった。
次の瞬間。
ドンッ!!!
空間が “裏返る” ような感覚がした。
「っ!!?」
一瞬前まで確かにいたはずの空間が、まるで現実離れした “異世界” に変わっていた。
壁は深紅に染まり、床は濡れた絨毯のように不気味に蠢いている。
空間全体がうっすらと “甘い匂い” に包まれていた。
カイは思わず口元を抑えた。
(……ヤバい、なんだこの匂い……)
吐き気を催すほどの濃密な香り。
だが、それ以上にヤバいのは──
「……動けねぇ」
キョウゴが舌打ちしながら呟く。
体が重い。まるで、見えない何かに絡め取られたように、指先すら自由に動かせない。
「ふふ……どう? 私の魅了領域 の効果は?」
ラヴィニアが、ゆっくりと歩み寄る。
「この領域内にいる限り、私の “甘い香り” に囚われ、体の自由を奪われる……」
耳元に囁かれる声が、艶めかしく響いた。
「ねぇ、気持ちいいでしょう?」
カイとキョウゴは、ギリギリと歯を食いしばった。
(……クソッ、思うように動けねぇ……)
(やべぇ、このままじゃ……!!)
二人の焦燥をよそに、ラヴィニアはゆったりと指を滑らせるように宙をなぞった。
「さぁ、私に抗えるかしら?」
その言葉と同時に、二人の視界が “霞む” 。
脳が痺れるような感覚に襲われ、思考が奪われていく──
「……っ!!」
カイの意識が、徐々に沈んでいった。
しかし、その時──
(……ダメ……負けないで……)
どこかで聞いたことのある声が、頭の奥で響いた。
(……この声……ルナ?)
カイの意識が、一瞬だけクリアになった。
その時、カイは気づいた。
──この “甘い香り” に囚われる前に、ほんの一瞬 “金色の光” が揺らめいたことを。
それは、先ほど自分の中に現れた “光のルナ” と同じ輝きだった。
(……そうか……!)
カイは奥歯を噛みしめた。
「キョウゴ!! こいつの “能力” を一瞬だけ食い止める!! その間に一発ぶち込め!!」
キョウゴがニヤリと笑った。
「……本当にできるんだろうな!!」
カイは両手を組み、深く息を吸った。
(……もう一度、あの光を……!)
意識の奥底で、再び “ルナの声” が囁く。
(信じて……あなたは、できる……)
「──ッ!!!」
カイの体が、淡く輝いた。
次の瞬間。
「……この空想を、ぶっ壊す!!」
カイが拳を握りしめた瞬間、空間が “弾けた” 。
──バキィィィィンッ!!!!
ガラスが砕けるような音が響き、空間を覆っていた甘い匂いが霧散する。
──そして、その瞬間。
「今だ、キョウゴ!!!」
「おらあああああああっ!!!」
キョウゴの拳が、ラヴィニアへと振り抜かれた。
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
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それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
お楽しみいただけますように!




