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俺が強すぎて人生ハードモード  作者: 雨宮悠理
Phase3 動乱の学園
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黄金の導き

「…っ、くそ、こいつ…!」


 キョウゴは忌々しげに舌打ちを鳴らしながら、目の前の女を睨みつけた。


 ラヴィニア──黒のドレスに身を包んだ、グラマラスな体を惜しげもなく強調した美女。彼女はまるでダンスでも踊るような優雅なステップで、キョウゴの懐へと滑り込んでくる。


「そんなに怖い顔しないでよ、男の子でしょ?」


 ふわりと絡みつく甘い香り。ゆったりとした動きとは裏腹に、その一撃は鋭く、正確だった。


 キョウゴは拳を叩き込もうとしたが──その瞬間、ラヴィニアの指がキョウゴの顎を持ち上げた。


「──んっ♪」


 唐突に、舌が這う感触がした。


「……ッ!?!?」


 一瞬、自分の身に何が起こったのか理解できなかった。


 ラヴィニアの舌が、彼の頬をゆっくりと這い上がる。その行為は妖艶で、挑発的で、しかし同時に──。


「……動けねぇ……!?」


 異変に気づいたのは、ほんの一瞬遅れてからだった。


 体が、硬直している。全身の筋肉が金縛りにでもあったかのように、まったく動かない。拳を振り上げたまま、腕はそのまま宙で止まってしまった。


「あはっ、カワイイ♪」


 ラヴィニアは唇を艶めかしく舐めながら、囁くように言った。


「私に ‘愛された’ 人はね、しばらく自由を奪われちゃうの。どう? 初めての経験?」


「……ッ!」


 キョウゴの目がギラリと怒りの色を宿すが、どうすることもできない。


 ラヴィニアはその様子を愉快そうに見下ろしながら、「もっと楽しみたかったけど、そろそろ決めちゃおうかしら?」 と、彼の首筋に手を這わせた。


 その時だった──。


「……ッ、やめろ!!」


 カイの声が響いた。


 だが、ラヴィニアは気にも留めない。優雅な仕草でキョウゴの頬を撫で、まるで手折る寸前の花のように扱う。


「あらあら、もうちょっと待っててね? すぐに ‘可愛いお友達’ の相手もしてあげるから♪」


 カイは歯を食いしばった。


(クソッ、なんだよこれ……! 俺は──!)


 足がすくむ。体が思うように動かない。自分の無力さが痛いほど突きつけられ、悔しさが胸を満たしていく。


 キョウゴは目の前で捕らえられ、ルナは別の敵と戦っている。サクラはどう動くかわからない。


 ──このままだと、全員やられる。


(……力がほしい)


 そう願った、その瞬間だった。


「……ッ!?」


 視界がぐにゃりと歪んだ。


 気づけばカイは、どこまでも広がる “無” の空間に立っていた。光も影もない、静寂だけが支配する世界。


 ──いや、違う。


 たったひとつだけ、確かに “存在” しているものがあった。


 それは──


「……ルナ?」


 そこに立っていたのは、淡い金色の光を纏う女性 だった。


 顔ははっきりと見えない。だが、髪の流れ、佇まい、雰囲気……どこからどう見ても、ルナにしか見えなかった。


「藤沢カイ……あなたには、力があるわ」


 透き通るような声が、直接脳内に響く。


 まるで、ルナが語りかけているようだった。


「俺に……力?」


 カイが呟くと、ルナらしき光の女性は、ゆっくりと手を差し伸べた。


 その手に触れれば、何かが変わる──そんな確信があった。


 カイは、震える手を伸ばした。


「──うおおおおおっ!!」


 光が弾ける。


 現実に戻った瞬間、カイの目が青白く光を帯びた。


「……は?」


 ラヴィニアが訝しげにカイを見た、その刹那──。


「キョウゴ!!」


 カイの声が響いた瞬間、キョウゴを縛る見えない束縛が弾け飛んだ。


「……ッ!!」


 キョウゴはハッとしたように息を飲み、体の自由を取り戻したことを確認すると、すぐさま後方へ飛び退る。


 ラヴィニアは驚いた表情を見せた。


「……あら、あなた、意外とやるじゃない?」


 カイは荒い息をつきながら、自分の手を見つめた。


 指先に、うっすらと金色の光が宿っている。


(……今、俺がやったのか……?)


 信じられない。けれど、確かに “何か” を掴みかけている気がした。


 そして、キョウゴはニヤリと笑い、拳を鳴らしながら言った。


「……戦力にならねぇとか言ったけどよ、ちょっとは見直したぜ」


 カイは少し気恥ずかしそうに頭を掻きながら、ニヤリと笑って返した。


「とりあえず、やってみようか」


みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!


こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!

この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!


ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。


そして最後に……

いいねやコメント、本当に励みになります!

いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!


それでは、今日も物語の世界へどうぞ!

お楽しみいただけますように!

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