霧と選択
霧が激しく渦を巻き、イザヤの姿が視界から完全に消えた。
「……どこに消えた?」
マヒロが警戒を強める中、周囲の景色が歪むように揺れた。空間そのものがねじれ、まるで別の場所に引きずり込まれるような感覚に襲われる。
次の瞬間、マヒロは自分が見知らぬ教室に立っていることに気づいた。机と椅子が整然と並び、壁には「3年C組」と書かれた札が掲げられている。
「……なんだこれ?」
疑念を抱きつつ、マヒロが教室を見回すと、一人の少女が机に座っていた。短髪をゆらゆらと揺らし、髪に花飾りを付けた少女――サクラだ。
「サクラ?」
マヒロが声をかけると、サクラは穏やかに微笑んだ。
「淡海君、遅いよ。席について、授業始まっちゃうよ?」
その言葉に、マヒロは困惑を隠せなかった。周囲の空気が異常なほど静かだ。外の景色は白い霧で覆われており、教室以外の世界が存在しないかのようだった。
「待て……サクラ、お前どうしてここに――」
「どうしてって、何言ってるの?」
サクラが首をかしげる。
「いつもの教室じゃない。変なこと言わないでよ」
その瞬間、教室の扉がガラリと開いた。入ってきたのはイザヤだった。
「どうだ? 少しは楽しめてるか?」
「お前……!」
マヒロが拳を握りしめると、イザヤは軽く笑いながら手を挙げた。
「力を振るうなよ、ここでは何が起きるかわからないからな。さっきまでの空間とは少し趣向を変えたんだ」
「どういうことだ……?」
イザヤは余裕のある表情で、教室の黒板に指を向けた。そこには大きく「選択」と書かれている。
「お前にはここで一つの選択をしてもらう。――彼女を救うか、それとも別の道を選ぶか」
イザヤの言葉が終わると同時に、サクラの身体が突然霧に包まれた。彼女の姿が徐々にぼやけ、消えかけていく。
「サクラ!」
マヒロが叫び、駆け寄ろうとするが、その足元に床が消えたかのような感覚が走る。マヒロは咄嗟に飛び退いたが、その場に立つことすら危うく感じる異様な空間が広がっていた。
「選べよ、マヒロ」
イザヤが嗤う。
「力で彼女を救うか、それとも……新しい未来、他の奴等を見捨てるか。お前の中のタイタンはどちらを望む?」
「……ふざけんな!」
マヒロが吠えた。
「お前のくだらねえ問答に乗るつもりはねえ!」
イザヤの表情が微かに変わる。彼は不機嫌そうに首を振った。
「乗らないと言っても、ここではお前の意思など無力だ。ここは俺の支配する空間――お前の可能性すら、俺の掌の上にある」
その瞬間、教室全体が霧に包まれた。黒板の文字が滲むように変化し、新たに浮かび上がった言葉は「過去」と「未来」。
マヒロは冷や汗を浮かべながら拳を握りしめた。
「……この空間から出る方法は何だ?」
イザヤは笑みを深め、霧の中へと溶けるように姿を消した。
「それを探すのも、お前の選択次第だ」
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
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それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
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