放課後の部活動
放課後の体育館。夕日の光がフロアに伸び、ボールが弾む音とシューズの擦れる音が絶え間なく響いている。バスケ部の部員たちが汗を流し、必死に練習している中――。
「藤沢ァ、遅えぞ!」
明るい声が飛び、体育館の中央にいる部員たちがこちらを向く。その中心には藤沢カイ。そしてその隣に芹沢サクラ、さらに見慣れない人物――淡海マヒロが立っていた。
「……なんで俺まで来てんだよ」
マヒロは呆れたように呟くが、藤沢は肩を叩いて笑う。
「頼むぜ、淡海君。キミならなんとかしてくれそうな気がする」
「……簡単に言うなよ」
「おい藤沢!」
バスケ部のキャプテンらしき長身の男子が前に出てくる。見るからに真面目で、責任感の強そうな先輩だ。
「お前、これ本気なのか? 代わりに出すって――」
「本気ですよ。なんたって彼は期待のホープなんで」
「……」
キャプテンがマヒロを値踏みするように見つめる。だが、その視線にマヒロは特に動じた様子もない。
「……なんでしょうか」
「お前……無理してないか?」
キャプテンが真剣な目で言う。
「本当にいいんだよな? 無理に頼んでるわけじゃねえだろ?」
「いえ、めちゃくちゃ無理に頼まれました」
「ええっ、そんなに無理させてるのか?」
藤沢がおどおどしながら答えるが、キャプテンはまだ腑に落ちない様子だ。
「藤沢、お前はそれでいいのかよ。怪我をしたのはしょうがないとしても……」
「俺は大丈夫だと思ってます。正直最初は他にアテが無かったこともありますが、実際に話してみて代役は彼しかいないなと直感しました」
藤沢の言葉に、キャプテンは小さく息を吐く。そして、マヒロの方に向き直り、少しだけ柔らかい表情で言った。
「頼む。いきなりのことで申し訳ないが、俺らにとって最後の県大会だ。……どうか力を貸してくれ」
「……わかりました」
マヒロは短く返事をする。真剣な目を向けられて、断る理由も見つからなかった。
「じゃあ、軽くパス練習からだ!」
キャプテンが部員たちに指示を出し、練習が始まる。
ボールを受け取ったマヒロは、どうにか形だけでも練習に加わろうとした――が。
「うわっ!」
「ちょ、淡海、パスの勢い強すぎ!」
マヒロが放ったパスは、普通のバスケットボールとは思えない速度で部員の手元をすり抜けていった。反射的に避けた部員が目を丸くする。
「おいおい……何だこいつ」
「パワー系バケモンじゃねえか……!」
部員たちがざわつく中、藤沢が苦笑いしながら声をかける。
「お前、すごいな!見かけによらずパワーあるんだな!」
「いや、軽くやっただけですけど」
「あれで軽くなのか!?」
後ろでサクラがケラケラと笑っている。
「淡海君、やっぱりすごいね! 次はもっともーっと優しくやってみよう!」
「……やかましい」
マヒロは顔をしかめながら、ボールを拾い上げる。
練習が一旦止まり、3年生の先輩がマヒロに近づいてきた。髪を短く刈り上げた体育会系の彼は、真剣な表情を浮かべている。
「淡海……だったか。頼むから無理すんなよ」
「……」
「……正直、不安がないわけじゃない。でも、藤沢が選んだお前を信じたい」
3年生の言葉に、マヒロは少しだけ目を細めた。
「とにかくやれるだけやってみます」
その一言に、先輩は小さく笑みを浮かべた。
「頼むぜ、淡海」
練習の終わり、体育館にボールの跳ねる音が静かに響いていた。藤沢がマヒロの肩をポンと叩く。
「どうだ、悪くねえだろ?」
「……まだわかんねえよ」
サクラが満足げに笑いながら言った。
「大丈夫、淡海君なら絶対なんとかなるって!」
「無責任なこと言いやがって……」
呆れたように言いながらも、マヒロは少しだけ肩の力が抜けていくのを感じていた。
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
いいねやコメント、本当に励みになります!
いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!
それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
お楽しみいただけますように!




