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俺が強すぎて人生ハードモード  作者: 雨宮悠理
Phase2 嵐を呼ぶ力
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不本意な救世主

「頼む!俺の代わりに試合に出てくれ!」


 淡海マヒロは思わず固まった。

 目の前で深々と頭を下げるのは、他クラスの男子――藤沢カイ。名前だけは聞いたことがある。確か学生にして起業所属のチームで社会人バスケリーグにも出場している選手で、学校内でもちょっとした有名人だ。部活にも入っていたのか。


「……ん?代わりに出ろって、どういうこと?」


 マヒロが怪訝そうに眉を寄せると、藤沢は少しだけ視線を落とした。


「……実は、ちょっと練習で怪我をしてさ。足をやっちまったんだ」


「まあ事情はわかるけど。それは自己責任じゃないのか?」


 マヒロが呆れたように返すと、藤沢は苦笑いして首を振る。


「悪い。でも、本当に動けないんだ。医者からは『安静にしろ』って言われてる。無理すればもっと悪化する」


「それなら休んでおけよ。次に出りゃいいだろ」


 冷たく突き放すマヒロに、藤沢は強い目で言い返した。


「それが次なんてないんだよ。この試合は3年生最後の県大会だ。勝ち抜けば全国だって見えてくる。でも、ここで負けたら終わりだ」


「……最後の大会な」


 藤沢はうなずき、拳をぎゅっと握りしめた。


「俺たちのチームはそんなに強くない。でも、ここまで勝ち進んだのは3年生たちの努力のおかげだ。だからこそ、俺は――このチームで、あの人たちを勝たせてやりたいんだ」


 その言葉に、マヒロは少しだけ沈黙した。藤沢の真剣な表情には迷いが一切ない。


 「それで、何で俺に頼むんだよ。他に適任のやつはたくさんいるだろ?」


 「……正直、目ぼしい奴は何人かいたんだが、全員他の部に入ってる。ウチの学校は他の部と兼任で試合に出ることは認められない。そんな時に芹沢さんが教えてくれたんだ」


 藤沢はちらっと隣のサクラを見た。


「淡海は全然知られていないけど、実は運動神経がものすごいって」


「お前……余計なことばっか言うな」


「てへぺろ」


 マヒロがサクラを睨むが、彼女は舌をぺろりと出して全く悪びれていない。


「だって本当じゃん!淡海君なら絶対いけるって!」


「根拠のない自信やめろ……」


 マヒロは頭を抱えた。

 だが、真剣に頭を下げ続ける藤沢を見ていると、断りづらい空気が漂ってくる。


「なんかさ」


 藤沢がふと呟くように言った。


「淡海って、もっと気難しいやつだって噂で聞いてた。でも……話してみると、全然そんなことねえな。やっぱり人の噂なんて信用ならないんだな」


「……誰だよ、そんな噂流したやつ」


 ムスッとしながら返すマヒロだが、藤沢の言葉は続く。


 「頼む。これが俺たちにとって最後の大会なんだ。お前にしか頼めないんだよ」


 その言葉に、マヒロは再び黙り込んだ。


 ――どうせ面倒事に巻き込まれるだけだ。別に無視したって問題ない。


 頭ではそう分かっているのに、目の前の藤沢の必死な顔を見ていると、何も言えなくなる。


 「……やれやれ」


 マヒロは大きくため息をついて、窓の外へ目を向けた。


 「分かったよ。……ただし、俺ができることなんてたかが知れてるからな」


 「本当か!すまない、ありがとう!恩に着るよ!」


 藤沢が勢いよく頭を上げ、ホッとした顔で礼を言う。

 サクラも隣でニヤリと笑いながら、マヒロの肩を叩いた。


「ほらね、淡海君、頼られちゃってるじゃん!」


「……こういうの、全部お前のせいだからな」


 マヒロは頭を抱えたまま、深々とため息をついた――。

みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!


こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!

この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!


ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。


そして最後に……

いいねやコメント、本当に励みになります!

いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!


それでは、今日も物語の世界へどうぞ!

お楽しみいただけますように!

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