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俺が強すぎて人生ハードモード  作者: 雨宮悠理
Phase2 嵐を呼ぶ力
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揺るがぬ足枷

 リング内で、マヒロは全身にのしかかる謎の圧力に抗いながら必死に動こうとしていた。だが、足元から伝わる圧力は増す一方で、呼吸さえままならない。


「動けねえのか?」


 そう言いながら、キョウヤは片手をポケットに突っ込み、もう片方の手でタバコを口元に運んだ。


 マッチを擦り、火をつける。ゆらゆらと白い煙が立ち昇り、キョウヤはゆっくりと息を吐きながらマヒロを見下ろした。


「いや、動かねえのか?まぁ、どっちでもいいけどよ」


 その言葉に、マヒロは歯を食いしばりながら前に進もうと足を踏み出す――が、その足はまるで地面に縫い付けられたように動かない。むしろ、踏み込もうとするたびにさらに深く沈み込んでいく。


 キョウヤは薄く笑った。


「無理すんな。俺は手なんか出してねぇんだぜ?」


 一方、リングの外。月瀬隆盛は腕を組みながら険しい表情を浮かべ、何度もサクラの方へと視線を投げていた。


 付き人がそっと声をかける。


「……どうかされましたか、隆盛様?」


 その言葉に、隆盛はわずかに顔をしかめる。


「別に何でもないわい」


 そう言い放ったものの、その視線は再びサクラへと向けられる。まるで彼女の存在が気になって仕方がないようだった。


 そんな隆盛の様子に気づくことなく、サクラはリング内の様子をじっと見つめていた。その瞳には、どこか微かな憂いが宿っている。


 そのとき、ルナが勢いよく立ち上がった。


「もう、やめさせないと……!」


 彼女がリングに向かおうとしたその瞬間、七神がさっと前に立ちふさがる。


「ルナちゃん、ダメだ。今は止めちゃいけない」


「でも……!」


 ルナの声は震えていた。


「彼を信じよう」


 七神の言葉には、どこか確信があるように聞こえた。


 リングでは、マヒロが再び力を込めて動こうとするが、体はさらに重くなるばかりだった。膝が地面に沈み込み、額に汗が滲む。


 キョウヤはタバコを軽く持ち直しながら冷たく言い放つ。


「だから言ったろ?力を持ってるだけじゃダメだ。使いこなせなきゃ、ただの重荷だってな」


 全身を押しつぶすような重圧は次第に増していく。額には汗が滲み、膝が震える。だが、マヒロの目はキョウヤを鋭く睨みつけていた。


(間違いない……こいつの能力は、重力操作だ。)


 周囲の空気が異様に重い。足元にかかる圧力がどんどん増しているのが分かる。さらに、自分が立っている周りの地面だけが、じわりと沈み込んでいるのも明らかだった。


「いい加減、降参したらどうだ?五体満足じゃいられなくなるぞ」


 キョウヤはタバコを咥えたまま薄く笑う。だが、その目は冷静そのものだ。


(局所的に重力を操ってる……そんなことが本当にできるのか?いや、できるんだ。あいつがそれを証明してる。)


 マヒロの心臓が激しく脈打つ。これまで自分の力を「抑える」ことしか考えてこなかった。だが、目の前の男は、その力を完全に「操る」ことで戦況を支配していた。


(俺も……タイタンの力を持っている、らしい。でも、どうやってあいつみたいに使いこなせばいいんだ?)


 頭に浮かんだ疑問。実はこれまでタイタンの能力が発動する仕組みについて、深く考えたことはなかった。


(一体どうやればタイタンの力を引き出せるんだ……?)


 キョウヤは能力を自在に操っている。矢口もタイタンの力を自分の意思で発動していた。矢口戦の時は無我夢中だったから、どうやって力を使ったのか、全く覚えていなかった。


 その間にも重力は増し続ける。膝が地面に触れ、リングの床がさらに沈み込む音が響いた。観客席から、ざわめきが聞こえる。


「……ここまでだ!」


 リングの外で、審判を務める青年が叫んだ。その声が決闘場全体に響き渡る。


 キョウヤはただただノーリアクションだった。タバコを静かに咥えたまま、視線すら動かさない。あまりに呆気のない幕切れに既に興味を失っているというべきか。


 審判は一歩前に進み、リング内を見据えながら冷静に言葉を続ける。


「これ以上の戦闘は危険と判断します。決闘を――」


 その瞬間、マヒロは唇を噛み締め、掠れた声で言った。


「……待て……まだ……」


 観客席がざわめき始める。ルナは息を呑み、七神が眉を潜めた。


 キョウヤは静かに立ち続け、白い煙をふっと吐き出す。


(タイタンの力を使いこなせるようにならないと……本当に、勝てない。)


 マヒロの膝は完全に沈み込み、意識が飛んでいきそうになる。それでも歯を食いしばり、必死に考え続けていた。


みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!


こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!

この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!


ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。


そして最後に……

いいねやコメント、本当に励みになります!

いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!


それでは、今日も物語の世界へどうぞ!

お楽しみいただけますように!

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