月瀬家の野望
大広間の中央で腕を組み、堂々と座している月瀬隆盛。彼を囲むように七神アキトとマヒロ、矢口、サクラが並んでいる。
「で、七神」
隆盛は口元を歪めて笑いながら言った。
「ここまで連れてきたこの若造たちが、一体何をしてくれるんだ?」
その言葉に、七神はいつもの軽い笑みを浮かべながら言った。
「月瀬家にとって、間違いなく“希望”になる存在ですよ」
隆盛の目がわずかに鋭くなった。
「……希望だと?久々に聞く言葉だな」
「淡海マヒロ――彼は先天性タイタニアです」
その瞬間、大広間の空気が張り詰めた。
「……先天性、だと?」
隆盛は体を僅かに前のめりにし、マヒロをまじまじと見つめた。その目には驚きと歓喜が入り混じり、普段の冷静さを失った様子さえあった。
「先天性タイタニア……それが本当なら……」
隣に控えるルナも目を見開いたが、すぐに俯き、感情を抑え込むような表情を浮かべた。
「お父様……」
ルナは小さな声で言ったが、隆盛は気にも留めずに続けた。
「先天性タイタニアとは、タイタンの力を“生まれつき”持つ者。代々の月瀬家が探し求めた力だ」
「……えっと」
マヒロは居心地悪そうに頭を掻いた。
「俺、別にそんな大したもんじゃないんですけど?」
マヒロの言葉を特に気にすることなく、七神は続ける。
「先天性の力を持つ者は、後天性の者とは根本的に違います。例えば、淡海君が矢口君に力の一部を“継承”したのも、その証拠ですよね?」
その言葉に、矢口は微妙な顔をしながら腕を組む。
「……まあ、あれは俺が勝手に怪我した結果だが、確かにコイツの力の一端を得たのは事実だな」
隆盛はゆっくりと席を立ち、マヒロの目の前に歩み寄った。
「淡海マヒロ……お前が本物の先天性タイタニアだと言うのなら、月瀬家にとってはかけがえのない存在になるだろう」
「いや、俺はただ普通に暮らしたいだけです」
マヒロの即答に、隆盛はふっと笑みを浮かべた。
「それでいい。だが、普通に暮らしたいというのなら――お前がその“力”のことを知り、そして真に体得することがなければ、平穏など訪れんぞ」
その言葉に、マヒロは思わず口をつぐんだ。
隆盛は一歩下がると、ルナに目を向けた。
「ルナ」
「はい」
ルナは背筋を伸ばして父を見返す。
「お前も分かっているだろう。タイタニアの力が目覚めなかったお前が、この家を背負うのは困難だということを」
その言葉に、ルナの表情が一瞬だけ曇ったが、すぐに柔らかな微笑を浮かべた。
「ええ……それは理解しています」
隆盛は満足げに頷くと、マヒロを振り返った。
「淡海マヒロ……お前がルナと共にこの家を支える存在となるなら、私は全ての力を尽くしてお前を守る」
「……は?」
突然の言葉に、マヒロは面食らった。隣にいたサクラは、じっと隆盛とルナを見つめていた。その目には、どこか複雑な感情が浮かんでいる。
「お父様!」
ルナは動揺を隠せない様子で声を上げた。
「まだそのような話をする段階では――」
「黙っていろ、ルナ。お前のためでもある」
ルナは口を閉じ、俯いた。その肩は微かに震えているようにも見えた。
その横で、七神は小さく囁く。
「ごめんな、マヒロ君。ある目的のため少しだけ付き合ってくれないか」
「ふざけんな」
目を伏せるルナを横目に、マヒロは七神と隆盛を睨みつけた。
■月瀬ルナ(00002)
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
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それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
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