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俺が強すぎて人生ハードモード  作者: 雨宮悠理
Phase2 嵐を呼ぶ力
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タイタンの力

「じゃあ、淡海君」


 七神アキトは椅子に座り直し、マヒロに問いかけた。


「マヒロ君、君はあの矢口君との闘いのとき、意識が飛んでいたようだけど……何か見たり感じたりしたことはない?」


「え?いや……」


 マヒロは戸惑いながらも、頭を掻きながら答えた。


「頭おかしいって思われるかも知れないですけれど、よく分からない棒人間みたいなやつが出てきて……そいつに案内されて、でかい石像の前まで連れて行かれた、ってくらいですけど」


 その話を聞いていた矢口が怪訝そうに眉をひそめた。


「棒人間?石像?……殴られすぎて夢でも見てたんじゃねえの」


「じゃあお前はどうだったんだよ?」


 マヒロの問いに矢口は少し苛立ち混じりに答えた。


「俺が力を手にした時?腕がボロボロだった頃、病院に七神さんが現れて、色々聞かされたんだよ。『力がどうこう』ってな」


 黙って話を聞いていた七神が、楽しそうに笑みを浮かべた。


「なるほど。やはり君は“神の啓示”を受けていたみたいだね、淡海君」


「……神の啓示?」


 マヒロが困惑するのをよそに、七神は軽くメガネを押し上げながら説明を始めた。


「タイタンには二つのタイプがあるんだ。生まれつき力を宿している“先天性タイタニア”と、後天的に力を得た“後天性タイタニア”の二つだよ」


「先天性と後天性……?」


七神はサクラや矢口、そして道案内をしてくれた冷たい態度の女性に視線を向けた。


「矢口君、サクラちゃん、そしてレイア。さっき会ったろう、君を治療してくれた女性さ。――みな一様に後天性タイタニアだ。でも、君は違う」


「違うって……?」


七神は微笑を浮かべながら続けた。


「君はおそらく先天性タイタニアだ。先天性のタイタニアは非常に稀で、力そのものを体に宿して生まれる特別な存在だよ」


 その言葉に、マヒロは驚きで目を見開いた。


「さらに言うと、先天性のタイタニアには特別な特性がある。後天性では持ち得ない特別なものさ」


「……特別な力?」


 七神は口の端を僅かに上げる。


「それはね、"継承"さ。キミも実際に体験しただろう。力の一部を他人に譲渡することができるんだ」


「継承……?」


 七神は頷きながら矢口に目を向けた。


「君の力の一部が矢口君に渡ったのも、その“継承”によるものだね。自分では意識していなかっただろうけどね」


 矢口が一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに不機嫌そうに視線をそらした。


「そして、先天性タイタニアはその特性ゆえに狙われやすいんだ」


「狙われる?」


 マヒロが眉をひそめる。


 七神は声を低め、真剣な口調で続けた。


「当然、タイタンの力を正義のためだけに使う者ばかりじゃない。タイタンの存在を知る者の中には悪用を考える奴もいる。その中には、先天性タイタニアを見つけて力を奪おうとする者もいるんだよ」


 七神は軽く笑みを浮かべたが、その目は冗談を言っているようには見えなかった。


「そう。君がこれから直面することは、その力をどう守るか、そしてどう使うかだ」


 七神はメガネを軽く押し上げ、柔らかな笑みを浮かべながらマヒロに語りかけた。


「淡海君。キミが安寧な暮らしを望むなら、まずは自分の力のルーツを知り、そしてそれを使いこなせるようになることだね」


「……力を使いこなす、か」


 マヒロは小さく呟きながら拳を見つめた。その手には、これまで自分自身でさえ扱い切れていない力が眠っている。


 七神は立ち上がり、軽く両手を広げた。


「ま、そんなに難しく考えなくていいさ。ここでは、キミがその力をどう扱えばいいのかを少しずつ学んでいく。今後は僕たちのチームメンバーの一員としてやっていきたいと考えている」


その言葉にマヒロは思わず顔を上げた。


「メンバーの一員ですか……?」


「うん。どうせすぐに力を使いこなすことはできないだろうしね。それに、外の世界にはキミを狙う人間もいる。ここなら安心だろ?」


 七神の軽い口調に、マヒロは少し呆れたように眉をひそめたが、心の中では確かに納得できる部分もあった。


七神の言葉が胸に響く中、マヒロは覚悟を決めたように小さく息を吐いた。


 マヒロは七神の言葉を反芻しながら、自分の身に起きた出来事の意味を少しずつ理解し始めていた――。



■七神アキト(00001)

挿絵(By みてみん)

みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!


こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!

この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!


ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。


そして最後に……

いいねやコメント、本当に励みになります!

いただけると「次の更新もがんばるぞー!」ってやる気がグンとアップします。どんな感想でもいいので、気軽にひとことでも残してもらえると嬉しいです!


それでは、今日も物語の世界へどうぞ!

お楽しみいただけますように!

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