第五話 過去の過ち
ついに、Devil1が隠していた過去の話までいったよ! やった―!
by そらとぶカピバラ
〜Devil隊員が集まる部屋〜 PM 1 : 15
【...俺は、生きる価値のない人間だ】
Devil1は俯きながら語り始めた。
向かいには、分隊の仲間3人が黙って話を聞いている。
Devil1
「昨夜、また夢を見た」
「昔の記憶だった」
【戦闘で瓦礫だらけの街】
【木々が生い茂る森林】
Devil1
「昔の作戦だった、壊された街も、地雷だらけの森林も」
「全部、あの日のままだった」
主人公は拳を握りしめ、こう語る。
Devil1
「夢の中じゃ、何度やっても仲間を助けられない」
「何回繰り返しても目の前で仲間が死んでいく...」
Devil1
「そして最後に、あいつらの声が聞こえる」
【どうして助けてくれなかった】
【お前が居なければ、俺らは生きていた】
Devil1
「そうやって.....親友たちじゃない何かに、親友たちの声で聞かされる」
「俺はずっと思ってた」
「俺がもっと早く判断していれば.....」
「俺がもっと強ければ.....」
「俺が代わりになっていれば.....」
「あいつらは...」
Devil1から言葉が途切れる。
すると、向かい側にいたDevil2が静かに言う。
Devil2
「.....Devil1は、そのとき一人だったのか?」
Devil1
「.....いや、親友と部隊に入っていた」
Devil2
「.....なら」
【全部をお前一人の責任にするな】
Devil1
「でも、俺だけが生き残った、そんな俺が.....」
その言葉を聞いた瞬間、Devil2の表情が変わった。
Devil2
「.....ふざけるな」
低い声だった。
Devil1は顔を上げる。
Devil1
「.....何?」
Devil2
「お前、それを何年繰り返してきた?」
Devil1
「俺は過ちを.....」
Devil2
「黙れ!」
普段は冷静なDevil2が声を荒らげた。
初めて見る、その顔を見てDevil1の口が止まる。
Devil2
「お前は、まるで生きていることが罪みたいに言ってる」
「だがな.....その日、お前に『死ね』と命令した奴はいたか?」
Devil1は答えられない。
Devil2
「いないだろう!」
Devil2は拳を握りしめ、こう言う。
Devil2
「だったら、勝手に自分へ判決を下すな!」
Devil1
「.....でも、俺は助けられなかった」
Devil2
「だからなんだ!」
Devil2
「助けられなかったことを悔やむのと」
「自分に生きる資格がないと思い込むのは違う!」
Devil2
「お前が生きていることを、死んだ仲間たちが望んでいないなんて、勝手に決めつけるな!」
Devil3
「ストップ!ストップ!一旦落ち着こう!」
Devil4
「Devil3の言う通りだ、少し落ち着け」
Devil2
「.....すまない」
そう言い、Devil2の表情が穏やかになっていく。
Devil1
「俺には.....わからない」
Devil2
「わからなくていい」
Devil2
「一つだけ言っておく」
Devil2
【お前は生き残った罪人じゃない】
Devil2
「そして.....【俺たちの仲間だ】」
その言葉にDevil1の表情が崩れる。
Devil1
「.....怖かったんだ」
初めて、本音が漏れる。
Devil1
「また、同じ過ちをしてしまうんじゃないかって」
「.....今の仲間まで、昔の仲間達のように失うんじゃないかって」
Devil1
「そして、仲間たちを忘れるのが怖いんだ」
「楽になったら、見捨てたことになる気がして.....」
Devil2
「それは忘れることではない」
Devil2は静かに答えた。
Devil2 「苦しみ続けるのと、仲間を覚えているのは同じじゃない」
Devil1は、何度も涙を拭う。
Devil1
「じゃあ、俺はどうすればいい?」
Devil2
「今日を生きろ」
Devil1
「今日.....?」
Devil2
「明日のことまで考えなくていい」
「眠って」
「起きて」
「飯を食べ」
【俺たちと話せ】
Devil1
「.....!」
Devil2
「それを毎日繰り返せ」
Devil1
「.....俺も、生きていいんだな」
Devil2
「当たり前だ」
そして、Devil1は光が灯ったその目を仲間たちに向け、こう言った。
Devil1
【.....ありがとう】
Devil3
「どういたしまして!」
Devil4
「お前ほとんど何もしてないだろ」
Devil3
「お前こそ!」
隣でギャーギャー叫ぶ二人を見る。
Devil2
「また一人で抱え込んだら怒るからな」
Devil1は少し苦笑しながらこう言う。
Devil1
「...わかったよ」
その夜、Devil1はベッドに横になった、そして瞼を閉じる。
すると、いつものように過去の光景が浮かぶ。
だが今度は、その景色の中で別の声が聞こえた。
【お前は、生きていい】
Devil1
「.....ああ」
そして初めて、過去から逃げるのではなく、
過去を抱えたまま前に進むために眠りについた.....。
【自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。】
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ / 詩人、小説家、劇作家
そらとぶカピバラは、たくさんの人がぼくの小説を読んでくれて嬉しいな!
by そらとぶカピバラ




