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ラブコメショートシリーズ「部屋デート」

ショートシリーズ、今回は『部屋』デートです。

【慶太と玲衣奈】


冬休みの最終日、俺…西郷 慶太は彼女である玲衣奈の家に来た。


「お、お邪魔しまーす…」


き、緊張する…!家族以外の女子の部屋…ましてや、彼女の部屋なんて初めて入るからドキドキが止まらない。


緊張する理由は、もう1つ。


俺は部屋に置かれていたクッションに座る。


正面には玲衣奈が座っている。


玲衣奈が手を差し出した。


「じゃ、ノート、出して?」


「お願いします!」


今日は冬休みの最終日、宿題が終わっていない俺のために、玲衣奈が勉強会を開いてくれたのだ…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…ふう、終わったね。」


宿題!完了!疲れた…!高校って普段宿題を出さないくせに、長期休みの宿題はやたらと出すんだよな…


「助かった!ありがとう!」


俺がそう言うと、玲衣奈は苦笑いを浮かべた。


「…来年はもっと計画性を持ってね。」


「了解!」


俺がそう言うと、玲衣奈は俺の隣に座った。


「じゃ、じゃあ…これは頑張ったご褒美…」


そう言うと、俺の頬に柔らかい感触がした。


「…」


「…」


しばらく無言が続く。


この空気に耐えられず、俺は玲衣奈に向かって頭を下げた。


「…ごめんっ!」


「えっ!?な、何が!?」


あわてふためく玲衣奈。まあ、当然だ。頬にキスした相手が急に頭を下げたら誰だって驚く。


なぜ頭を下げたのか…俺は玲衣奈に隠していたことがあった。


「実は…宿題、わざと残していました…」


「ええっ!?な、なんで!?」


戸惑いながらも尋ねる玲衣奈に、俺は答える。


「…一緒にいたかったから…です。」


「…」


俺の言葉に、玲衣奈は無言で俯く。


「…慶太。」


俯きながら玲衣奈が話す。


「…うん。」


「次の冬休みは、年明け前に勉強会をしようね。」


「えっ?」


「それで…休みの最終日は…」


玲衣奈は恥ずかしそうに上目遣いで俺を見る。


「宿題なんて気にせず…デート…しよ?」


頬を赤らめながら言う玲衣奈。


「…分かった。俺頑張る。」


「ありがとう。」


そう言って俺の肩に頭を乗せる玲衣奈。


俺は玲衣奈の額に口付けした。


恥ずかしそうに額を押さえる玲衣奈。


勉強会もだけど…部屋デートも増やそうと思う俺であった…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


【海斗と碧】



「こ、ここが海斗くんの部屋…!」


そう言って俺…三浦 海斗の部屋を見回す碧さん。


今日は、碧さんがしたいという理由で、部屋デートをしている。


俺は初めて部屋に来る彼女にドギマギしながらも、碧さんに話し掛ける。


「あ、あんまり面白い部屋じゃないけど…良かったら寛いでいって。」


「逆に面白い部屋って何なのよ。…ま、お言葉に甘えて。」


そう言って碧さんは俺のベッドに座る。すると、ベッドの下を覗き始めた。


「さて、ベッドの下かな?」


「待って。」


「おや?怪しいなあ。」


そう言ってニヤリと笑う碧さん。


俺はベッド下収納を出す。


「普通に漫画があるだけだから。ほら。」


「ちぇー、なんだ。」


「なんだって…お茶とお菓子準備するから、あんまり家捜ししないでよ?」


「はーい。」


気の抜けた返事をする碧さん。


(…絶対するつもりだな。まあ、良いけど。やましいものはないし。)


不安に思いながらも、俺はお茶とお菓子の準備をした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「あっ。」


部屋に戻ると、案の定碧さんは家捜しをしていた。その証拠にアルバムを手にしている。


「海斗くん!何この可愛い子~!」


「…幼稚園の頃の俺。」


どうやらかなり昔のアルバムを見ているようだ。


碧さんは熱心に読んでいる。


「え~!可愛い!今も可愛いけど!」


「今は可愛くないでしょ。…良かったら他のアルバムも見る?」


「良いの!?」


驚く碧さん。確かに昔の俺を見られるのは少し恥ずかしいけど…


「…別に、見られて困ることはないし、それに…俺の事、少しでも知ってほしいなって思ったから…」


「…ありがとっ。ほら、海斗くん、来て。一緒に見よ?」


「う、うん。」


碧さんの横に座る俺。


碧さんは肩が触れる距離まで近付く。


…めちゃくちゃ良い匂いする…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ひととおりアルバムを読み終わると、碧さんは満足そうな表情を見せた。


「いやー良かった!海斗くん成分大量摂取出来たわー…」


「どういう成分?」


…碧さんって俺の事好きだよな…いや彼女だから当然なんだけど。


愛が重いので少し気恥ずかしい。…嬉しいけど。


俺がそう思っていると、碧さんは少し上目遣いで俺に話し掛けてきた。


「…ねえ海斗くん。」


「?どうしたの?」


「…次、私の部屋に来た時は…アルバム、見せてあげるね。」


「えっ?良いの?」


「うん…今日で海斗くんの事、いっぱい知ることが出来たから。今度は、私の事も知ってほしいなって思って…」


「碧さん…」


…俺が知らなかった碧さんを教えてくれるのは正直嬉しい。


なんだかんだで俺も愛が重いのだ。


「分かった。次行くときは、見せてもらうね。」


「…へへっ、ありがと。」


そう言って碧さんは俺に近付いて顔を向ける。


俺は、そっと彼女にキスをした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


【おまけ】


(…離れない…!)


さっきから碧さんが唇を合わせたまま離れてくれない。


それどころか抱き締める力が強くなる。


俺は碧さんの背中を軽く叩く。


…離れない。


…結局、碧さんの息が続くまで、俺達は唇を合わせ続けるのであった…




おしまい

私は壁になりたい。

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