ツインズ・ツインズ(エピローグ)(終)
双子の話、最終話です。
「…てなこともあったよねー…」
「そうだね…本当に色々あったなあ…」
私、吉本 夢来はそう言って紅茶を1口飲む。ダイニングのテーブルに向かい合って座っている美夢はニカッと笑う。
今日は私達の家に、近所に住んでいる美夢が遊びに来ている。
私と陽平が結婚して数年。私の夫である陽平と、美夢の夫である公平くんは子ども達と外で遊んでおり、私達はお留守番中だ。
2人でゆっくり雑談をしているなかで、たまたま高校時代の話になったのだ。
「美夢は結婚早かったよね。大学卒業してすぐだったし。」
「先に紐付けておきたかったの。あいつモテるし。…逆に夢来は遅かったね。」
「社会人の生活に慣れてからかな…って思ってたから。」
「…ねえ、夢来。」
「?どうしたの?」
「…今、幸せ?」
美夢の質問に一瞬驚いてしまった。
私は、陽平と付き合ってから今までの事を思い出す。
(色々あったなあ…)
楽しいことや嬉しいことはもちろん、沢山喧嘩もしたし、泣いてしまうこともあった。でも…
「…とっっっても幸せ!」
私達は笑い合った。
その時、玄関の扉が開いた音がした。
「ただいまーっ!」
「ただいま!」
何度聞いても心地よい、最愛の子供と、夫の声。
「お帰りなさい。」
私は…いや、私達は、これからも幸せを噛み締めて生きていく。
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ーーー数十年後ーーー
「はあ…私も年を取ったなあ。子供の相手は楽しいけど疲れる…」
私は窓際にある椅子にドカッと座る。
「本当ね。」
そう言って笑うのは、先に隣の椅子に座っていた姉、美夢。
今日は私の孫と美夢の孫が私達の家に遊びに来ていた。相も変わらず、私達の夫達が私達の子ども達と一緒に可愛い孫達を外に連れていっているので、お留守番中だ。
静かな空間、2人でゆっくり椅子に座っていると、美夢が私に話し掛けてきた。
「ねえ、夢来。」
「どうしたの?美夢。」
「私達、すっかりおばあちゃんね。」
「そうだね…一緒だね。」
しみじみと感じる。こうやって歳を取っても仲良くいれるのは幸せだなあ…
そう思っていると、美夢が少し身を乗り出して話し掛けてきた。
「ねえねえ夢来。今度2人で旅行に行きましょ?温泉!」
「良いね。…旦那は良いの?」
「良いの良いの。あの人らは勝手にどうにかするでしょ。」
「勝手にって…ふふっ。」
「…ねえ、美夢。」
「どうしたの夢来?」
「これからも、一緒にいようね。」
「…それ旦那に言いなさいよ。」
「それもそうだね。でも、言いたくなっちゃった。」
「…ふふっ。変なの。でも、私もおんなじ気持ち。」
そう言って、美夢は私の手を握った。
私は美夢の手を握り返す。
…まだまだ、こうやってみんなと生きていけたら良いな…
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「…!あら、寝ちゃってた。」
ふと目が覚めると、空はすっかり暗くなっていた。
「ばあば起きた!」
可愛い孫…樹が身を乗り出して話す。
「あらあら、ごめんね。今から晩ごはんの準備をするから…」
「いいよ母さん、俺と父さんでやってるから。」
そう言うのは息子の佳人。…そうか、もう大人なんだね。
しみじみと思っていると、樹がニコニコしながら話し掛けてきた。
「ねえねえばあば。さっきまでじいじがばあばを見てニコニコしてたんだよ!」
…えっ!
陽平を見ると、少し気恥ずかしそうに話し出した。
「…幸せそうに寝ている君を見ていると、嬉しくて…」
「ちょ…!ちょっと!」
慌てる私を見て、佳人は呆れたように話す。
「全く…父さんと母さんはいつまで経っても仲良しだな。」
「ふふっ。そうだね。佳人さん、私達もお義父さんとお義母さんみたいな夫婦になろうね。」
「ちょ…!花菜…!」
佳人のお嫁さんである花菜さんの言葉に佳人は慌てる。
樹はそんな2人をニコニコしながら眺める。
「パパとママも仲良しだね!」
「そうだね。ふふっ。」
私は樹の頭を撫でる。
いつの間にか起きていた美夢も、公平くんも2人の子ども達と孫達もみんな笑顔だ。
…こうやって、笑顔溢れる生活が、これからも続いていけば良いな…
私はしみじみ思いながら、これからも幸せな日々を過ごしていく。
大切で、大好きなみんなと一緒に。
終わり
これにて双子の話は終わりです。もしかしたら今後もちょこちょこ登場するかもしれません。
どうか、双子の彼女たちを見守ってあげてください。
次回からはしばらくショートシリーズです。短めな話になりますが、良い話を作れるように頑張ります。お楽しみに!




