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ツインズ・ツインズ(5)

双子の話、第5話です。

どうも、相田 美夢です。そうです。姉の方です。


ひょんな事から私の可愛い可愛い双子の妹、夢来と夢来の想い人である吉本 陽平のデートを尾行していたら、いつの間にか彼氏が出来ていました。そして、その彼氏って言うのが吉本 公平。陽平の双子の弟です。


一応彼氏(仮)みたいな感じですが、一体どうなるのでしょうか…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「へー…夏祭りね…」


「そ、そう…!陽平くんと行くの。」


夢来の部屋、私はいつも通り夢来に引っ付きながら話を聞いていた。夢来から良い香りがする。


ふと、思い付いた。…っていうか、思い出した。


「…私も行くかな…」


「公平くんと?」


「そうそう。仮とはいえ恋人っぽいことしないとなーって…」


「じゃあ一緒に行こうよ!」


夢来からの提案。物凄く魅力的ではあるが…


「や、それはやめとく。…尾行はしないからね?一応言っておくけど。」


「じゃあどうして?」


じゃあとはなんだ、じゃあとは。まるで私が何でもかんでも夢来をストーキングするやつじゃないか。…間違ってないな。


まあ、とは言えだ。


「デートってのを…ちゃんと経験しないとな…って。」


実を言うと、私は吉本 公平の事はそこそこ好ましく思っている。まあ、以前のあの発言はカスだと思ったが。


そもそも私と夢来は二卵性とはいえ双子だ。好みが似たような人になるのは当然だろう。


でもなんか陽平の方は何か違う気がした。何故かは分からないが。


とにかく、今回は普通にデートらしきものをした方が良いと思った。前回夢来のデートを邪魔したお詫びも当然あるが。


私の思いを知ってか知らずか…夢来は私をじっと見る。…え?何…?


「美夢。」


「な、何…?」


私が夢来の方を向くと、夢来は一瞬で間合いを詰めた…瞬間、抱き付く。


「うきゃっ!」


「美夢ったら…可愛い。」


普段と逆の立場になったが、私は甘んじて受け入れることになった。


…やっぱり夢来っていい匂いするな。同じ環境で生きているのに…何故だ?



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



夏祭りの会場、私は1人で近くの銅像にもたれ掛かっていた。


ふと前を見ると、見慣れた人物が駆け寄ってきた。


(まだ待ち合わせの30分前じゃん!早!…人の事言えない!)


見慣れた人物…吉本 公平は手を上げながら私に話し掛ける。


「おっす。お待たせ、美夢ちゃん。」


「おっすー。じゃあ行こうか。吉本。」


「待って待って!ほら!服の感想は!?」


「それ私が言うセリフじゃない?」


「だったら言う猶予をちょうだいよ!その浴衣!青地に白の百合!綺麗だよ!似合ってる!」


「ありがと。夢来と色違いなんだ。それぞれ逆のカラーリングなの。…あんたも甚平似合ってるよ。格好良いじゃん。」


「お、おう…ありがとう…陽平とは全く同じ柄なんだ…」


「そうなんだ。じゃあ良かった。私が好きってことは夢来も好きだしね。」


「そ、そうなんだ…良かった…」


吉本は安堵の表情を浮かべた。


(嬉しそうだな…言って良かった。)


私は私で安堵しながら、夏祭りの会場に向かった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



実質初デートになった私達。


結論から言うとかなり楽しかった。


お互いに地元の祭りなので土地勘があるというのもあるが、吉本のリードがスマートだった。


物語のデート回でありがちな、はぐれたり鼻緒が切れたりする展開もなく、スムーズに楽しめた。


花火もしっかり見れたし。中々楽しかったな。


あと…やけに吉本が私の好みを聞いてきてたな。


隠すことでもないので私はちゃんと答えた。


甘いものが好き、特にチョコレート…とか、運動は苦手ではないが、どちらかと言うと芸術作品に興味がある…とか、花を見るのが好き…とか。


私が答える度に私が好きそうな屋台に連れていってくれた。


私が「吉本、あんたが好きな屋台に行っても良いんだよ?」って言うと。


「俺さ、あんまり好きなこととかこだわりとか無いからさ…今日は美夢ちゃんが楽しいと思うことを経験したいんだ。夢来ちゃんの事、よく知りたいし。」


…だって。(慣れてんなー…)と思いつつ、それはそれとして自分を知ろうとしてくれるのはなんだかんだで嬉しかったりするのだ。


そんなこんなで結構楽しめた私は、夢来と吉本 陽平に今回の話をした。


…なんか、夢来はやたらとニコニコしていたし、吉本兄は驚きの表情をしていた。…何故驚き?


んで、夢来は夏祭りの花火大会で吉本兄に告白されたみたいだ。…んで、付き合うことになったと。


…待って!?話聞かせて!?



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「植物園?」


「そうそう。美夢ちゃん花好きでしょ?」


何度かデートを重ねていった私達。いつの間にか夏休みも過ぎ、紅葉も出だしたこの時期に、公平は私にデートの提案をしてきた。


…っていうか、私が言ってたこと、覚えてたんだ。夏祭りの時に1回しか言ってなかったはずだけど…


私は二つ返事でOKした…ので、早速今週末に行く事になった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「綺麗…!」


「でしょ?ここ、ものすごい種類の花が咲いているんだって!」


公平が自信満々に話し出す。


この植物園、行きたいと思いつつも中々行けなかったんだよね。微妙に遠い場所にあったし。


綺麗な花に見惚れていると、公平が私に話し掛ける。


「美夢ちゃんに見てほしい花があるんだ。」


そう言って公平はゆっくりと進んでいく。公平より頭1つ以上低い私の歩幅に合わせながら。こいつ本当にスマートだな。


そう思っていると、公平が歩みを止めた。足下を見ると、紫色の可愛い花が咲いている。ちょっと待って、これって…


「エキザカムって花だよ。…花言葉は、今の俺の気持ち。」


…マジか。


私は今の気持ちを必死に抑えながら、公平に告げる。


「ねえ公平、返事の前に…ちょっと付き合ってくれない?」


「えっ!?…い、良いけど…」


ふふふ。困惑してるな。私は公平を連れて色んな花が咲いている道を歩く。…お、あった。


「サフラン、センニチコウ、ブッドレア…あ!キンモクセイもある!」


「あ、あの…美夢ちゃん…?」


公平が困惑しながら話し掛ける。まあまあ、待ちたまえ。


私はしばらく歩いてから、ある花の前で止まった。紫色の可愛い花だ。


「…そして、エキザカム。これで大体わかるでしょ?」


「…うん。」


「じゃ、これからよろしくね。」


「…はい。」


こうして、私は吉本 公平と『本当の』恋人同士となった。


エキザカムの花言葉は、「あなたを愛します。」




次へ続く

夢来ちゃんの話を飛ばすんかい!って思った皆様、安心してください。次回やります。


他の花言葉、是非とも調べてみてください。(もしかしたら解釈違いがあるかもしれないですが…多分大丈夫です)

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