ツインズ・ツインズ(4)
双子の話、第4話です。
俺の名前は吉村 公平。突然だが、俺には双子の兄がいる。
兄…陽平は文武両道、見た目は俺と髪色以外はほぼ同じだから当然良い。そして性格も良し。
人への気遣いが出来るし、人を立たせることも出来る。…もっと自分本位で良いだろって思う部分は多々あるが、凄く良い奴だ。
そして、そんな陽平は恋をした。俺にとっては隣のクラス、陽平にとってはクラスメイトの、相田 夢来ちゃんだ。
少しして、あの2人が両片想いと知った。
これはすぐに付き合うんじゃないか?そう思っていたんだが…
「…ふぅ、今日も話せなかった…夢来ちゃん…」
陽平、とんでもなくヘタレ野郎なんだよな…
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「え…?」
陽平と夢来ちゃんのデートを追跡していた俺と美夢ちゃん。美夢ちゃんは、自分が経験していない恋を夢来ちゃんが経験していることに不安を感じていた。
だから俺は提案した。俺と付き合わないかって…
そしたら、美夢ちゃんはなんかポカンとした表情を浮かべた。
「な、なんて…?」
「だから、恋を知りたいんだったら、俺と付き合えば良いんじゃないかって言ったんだよ。美夢ちゃん。」
俺は再び説明する…が、美夢ちゃんはなおも固まっている。…ちょっと可愛いな。
「おい、相田姉が困ってんだろ。」
後ろから声がした。振り返ると、陽平が背後に立っていた。
「え…陽平。…と言うことは…」
そう言いかけた俺に悪寒が走った。
「ねえ、美夢。」
「ゆ…夢来…偶然だね?」
「そうだね。偶然だね。」
…夢来ちゃんが美夢ちゃんに笑顔で話し掛けている。そう、笑顔だ。
…もしかして、夢来ちゃんって怒らせたら恐いタイプ?
「…とりあえず、固まっていると周りに迷惑だ。外に出るぞ。」
陽平の言葉に、俺達は賛同した。
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今、俺達は公園にいる。予定だと陽平と夢来ちゃんが2人きりで喋るはずだった公園だ。
公園の四阿で俺達はテーブルを囲んで座った。俺の横に美夢ちゃん、向かいには陽平、対角に夢来ちゃんが座っている。
…沈黙が気まずい!
そう思ってると、空気に耐えられなかったのか、陽平が口を開いた。
「で?何で着いてきたんだ?…って、心配だからだろうけど。」
「そうそう、陽平のデートが上手くいくか心配で…ね?」
俺はさっきから黙っている美夢ちゃんに話を振った。
美夢ちゃんはそれを察したのか、話し始めた。
「そ、そうそう!夢来が悲しんでないかなとか思って…!」
「美夢?私まだ喋って良いって言ってないよ?」
「ハ、ハイ…」
美夢ちゃんが黙る。
…夢来ちゃん、いつもの少し自信がなさげな君はどこに行ったんだ…?
俺は、1つ気になることを陽平に聞いた。
「ち、ちなみに…何時から気付いてた?」
「気付いたのは流石にカフェだな。どうせ着いてきてるだろうなとは思ってたけど。相田姉が声を出した瞬間に見つけた時は、(ああ、やっぱり…)とはなったな。」
…うん、俺が思った通りだ。二卵性とはいえ、流石双子だ。
…で。
「ち、ちなみに…夢来さんは…?」
さん付けしてしまった。
「陽平くんと待ち合わせした時から気付いていたよ?」
「えっ」
「だって美夢の変装、バレバレなんだもん。」
「…だって。」
俺は美夢ちゃんを見て話す…が。
「公平くん。私、まだ美夢に喋って良いって許可してないよ?」
「ウ、ウッス…」
夢来ちゃんの圧に負けた。
…陽平、お前間違いなく将来は尻に敷かれるぞ…!
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美夢ちゃんの会話禁止も解け、俺達は普通に会話をしていた。
ふと、陽平が何かを思い出し、俺に話し掛ける。
「それにしても…公平、相田姉の事、好きだったんだな。」
「ん、まあね。」
「水臭いじゃねーか!」
…?水臭いって…?あっなるほど。
「俺別に美夢ちゃんの事恋愛的に好きなわけじゃないよ?可愛いとは思うけどね。」
「は?」
「え?」
「…」
え?俺なんか変なこと言った?
な、なんか…3人とも変なやつを見る目で見てる…!
陽平が美夢ちゃんに話し掛ける。
「…姉、どうする?」
「うーん…とりあえず友達から始めるかな…」
「始めても良いのか…」
…ん?ちょっと待って。
「美夢ちゃん!俺達友達じゃなかったの!?」
「少し黙っててカス。」
「カス!?」
待って待って!俺そんな事言われるようなこと言ってないよね!?
そう思っていると、陽平が俺に話し掛けてきた。
「なあ公平…お前、恋を経験したことある?」
「何人か付き合ったことはあるぞ!」
「最長何ヵ月?」
「1ヶ月!」
「ええ…」
いや、俺でも流石に短いとは思うよ?でも、なんか合わないんだよな…
「…ちなみに…お前から告白したことは…」
「無いけど?」
俺が答えると、陽平は何かを考え始めた。…と、思ったら美夢ちゃんと夢来ちゃんとひそひそ話を始めた。
ひそひそ話が終わった陽平は俺の方を見て、話し出す。
「公平、俺が言えたことではないが…お前は男女の付き合いはあっても恋を経験したことが無い。」
「えっ?」
「惰性で付き合うのは恋したことにならないぞ。」
「…」
なるほど確かに。女子とデートはしたことはあっても、これ以上進むことは一度もなかった。
今になって考えると、俺は相手に対して恋とか愛とかの感情を持ち合わせていなかったんだな。
陽平は話を続ける。
「だから、相田姉と一緒に恋を学べ。俺も一緒に頑張るし…幸い、相田姉も夢来ちゃんも協力してくれるみたいだしな。」
陽平は美夢ちゃんと夢来ちゃんを見る。
「私は…一応あんたの事は信用してるし…なにより、夢来と離ればなれにならないから、協力しても良いよ。」
「私は…美夢が良いって言うのなら…」
美夢ちゃん、夢来ちゃんの話を聞いた陽平は軽く頷いて、俺に向かって話し始める。
「2人が折角協力してくれるんだ…だから、お前は誰かを恋愛的に好きだと思うまで、告白されても付き合うんじゃねえぞ。」
「お、おう…」
折角協力してくれるんだ。頑張らねえとな。
そう決意していると、夢来ちゃんが俺に話し掛ける。
「ねえ公平くん。」
「ど、どうしたの?夢来ちゃん…」
「美夢の事、大切にしてね。…悲しませたら潰すからっ♪」
「は、はい…」
…実はこの双子…結構似てるな?
こうして、俺と美夢ちゃんは友達から始めることになった…
…あれ?陽平と夢来ちゃんは?
次へ続く!
全6話って言いましたが、7話になりそうですね。




