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ツインズ・ツインズ(3)

双子の話、第3話です。

私の名前は相田(あいだ) 美夢(みゆ)


突然だが、私にはとっっっても可愛い双子の妹がいる。


名前は夢来(ゆら)。少し引っ込み思案で自信がない子だが、成績優秀、スポーツ万能、おまけに色んな人に優しい子だ。


あのカス…失礼、あの親戚のカスジジイとカスババアのせいでかなり自己肯定感が下がっていたが、私の褒め倒しで卑屈にまではならなくなった…と、思う。


夢来のどこがが可愛いかって?知りたい?知りたい?…仕方ない、教えてやろう。


顔は私とそっくりなので可愛いのは当然だが、それ以上に動きが可愛いのだ。


身長は私と同じだが、普段少しうつむき加減なので、私を見るときに上目遣いになる。可愛いポイント1億点。


少し人見知りなせいで人と話すときに緊張した面持ちを見せたり、慌てて噛んじゃったりする。可愛いポイント2億点。


100点満点中3億点で可愛い夢来だが、最近可愛いポイントが加算されている。というのも…


「それでね、美夢。その時の吉本くんが…」


最近夢来が恋をしているのだ…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…さて、準備するか。」


あのヘタレ…失礼、吉本 陽平とのデートに向かう夢来を見送った私は準備を始める。


何の準備かって?当然尾行のでしょ。


私は洗面所に向かう。


「夢来は勘が良いからね。生半可な変装じゃすぐにバレちゃう。」


明るい茶色に染めていた髪を黒染めし、ウエーブかかった髪をストレートにする。くっ、普段しないから難しい…!


次はファッション。帽子と眼鏡はマスト。マスクは逆に怪しくなるから無し。


「…よし、OK。」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



〔よし、見つけた。〕


夢来を見つけた私は近くにある茂みに隠れる。


すると、男が夢来に近づいてきた。夢来をデートに誘ったヘタレ…もとい、吉本兄だ。


「お待たせ!ごめんね、待った?」


「ううん。今来たとこだから…」


夢来と吉本兄が合流したようだ。おい吉本、何遅れてんだよ。


時間よりは早いけど、女の子を待たせるのは良くない。


…夢来が早すぎるだけ?…夢来は可愛いから無罪。


「夢来ちゃん…今日の服、良いね。すごく似合ってる。」


吉本兄がなんか言ってる。当然でしょ。私がセレクトしたんだから!夢来の魅力を一番わかってる私がね!


私がコソコソしていると、横から地味な男がコソコソしているのが見えた。


(あいつは…)


私が男の近くに行くと、そいつは驚いた様子で私を見た。男…吉本弟が小声で私に話しかける。


〔は?美夢ちゃん?〕


〔なんであんたがいるのよ、弟の方。〕


〔弟の方って…尾行に決まってんだろ。陽平が心配なんだよ。そっちもだろ?〕


〔当たり前でしょ。夢来が好きだって言ってるから許してるけど、私はまだあのヘタレ野郎を認めてないからね。〕


〔さすがに認めてあげろよ…ヘタレには完全同意するけど。…って、2人、もう行くみたいだぞ。〕


〔あっ。〕


2人が目的地に向かうようだ。私達は怪しくならないように着いていった…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



着いていっている途中、私は吉本弟から今回のデートプランを聞いた。


〔映画を観てからカフェで少し遅めのランチ、そしてウインドウショッピング…からの、余裕があれば帰りの公園でおしゃべり…かな。〕


〔平凡ね。〕


〔最初はそんなもんじゃない?まだお互いをよく知らない段階だし。〕


〔それは一理あるけどね。…この映画は結構夢来が好きそう。吉本弟(あんた)が選んだの?〕


〔いや?陽平が選んだよ。〕


〔へえ…センスあるじゃん。〕


〔まあ、誘うのに2ヶ月かかったけど。〕


〔遅すぎでしょ。本当にヘタレじゃん。〕


〔完全に同意する。〕


話していると、私達は目的地…映画館に着いた。夢来達2人は手続きをしている最中だ。


〔よし、見るよ。〕


〔見るの!?〕


〔当然でしょ。…良いこと教えてあげる。〕


〔へ?何?〕


〔私と夢来、映画とかドラマとか音楽とか…結構趣味は合うの。〕



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



〔…グスッ、まあまあな…映画だったじゃん…グスッ。〕


〔顔面ベショベショじゃねえか。〕


〔うるさい。〕


私達は今カフェにいる。夢来達がランチをしているカフェだ。私達もランチを食べつつ2人の様子を確認する。


(…結構盛り上がってるじゃん。吉本兄は聞き上手ね。)


私が感心していると、吉本弟が小声で話し掛ける。


〔…なあ、聞きたいんだけどさ。〕


〔何?〕


陽平(あいつ)の何が不満なの?ヘタレだけど良い奴だぜ?〕


〔そんなことわかってるよ。〕


そう。言い方はあれだけど、吉本 陽平は優良物件だ。見た目も良し、性格も良し、今のデートを見る限り、夢来への気遣いも完璧。なんでこれでモテないんだ?ってくらい良い男だ。でも…


〔別に吉本兄が悪い訳じゃない。けど…〕


〔夢来ちゃんが心配?〕


〔それもあるけど…多分、今の夢来の事が分からないから。〕


〔…どういう事?〕


〔夢来って、今まで誰かに特別な想いを寄せることが無かったの。それが急に誰かを好きになるから…〕


〔なるほど、美夢ちゃんは恋愛感情が分からないのか。〕


〔そう。…今の夢来が今までと違うのが怖い…というより、遠くなってる感じがして…うーん、言語化が難しい。〕


私がウンウン唸っていると、吉本弟が何かを思い付いたような素振りを見せ、私に話し掛ける。


〔…独占欲とか?美夢ちゃんと夢来ちゃんっていつも一緒のイメージだし。〕


〔…近いかも。〕


〔寂しい?〕


〔それだ!〕


目から鱗が落ちた。


いつも一緒だった私と夢来。色んな物の好みもほとんど一緒だから、別々に何かをする時間なんてそんなに無かった。


それが急に、自分との明確な【違い】が現れたから…


置いてかれるように感じて、寂しかったんだ…


〔納得した。ありがと。〕


私は吉本弟に感謝を告げる。


納得したので、今日、これからは新しい夢来を見つけるために尾行しよう。


恋する表情の夢来が見つけられるかも…グヘヘ。


私がにやけていると、吉本弟が何かを思い付いたように話し掛ける。


〔ねえねえ、美夢ちゃんはさ、夢来ちゃんがひと足先に恋を知って置いてかれた感覚を持っているんだよね?〕


〔う、うん…〕


〔じゃあさ、美夢ちゃんも恋を知ってみようよ。俺美夢ちゃんの事好きだし。〕


〔…〕


「…へ?」



次へ続く!


美夢ちゃんのキャラがだいぶ凄い事になっちゃった…次回の視点はまあ…消去法ですね。

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