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ラブコメショートシリーズ「鏡」

今日は初めての試み、ショートシリーズです。


お題は「鏡」です。

「ふんふんふーん♪」


私、梁瀬(やなせ) 小春(こはる)は鼻唄を歌いながら鏡の前で髪を整える。


今日はデート。幼馴染みであり、最近は恋人になった金山(かなやま) 駿太(しゅんた)とはよく2人でお出掛けしていたが、恋人としては初デートだ。


ということで、私はかなり浮かれている。


(まあ、初デートで室内アスレチックはどうなんだって話なんだけどね。)


私が想像する初デートといえば、ウインドウショッピングとか、水族館や美術館やら行ったりとかなんだけど…


体を動かすのが好きな私たちにとっては、これが最善。私達2人とも、運動は得意だしね。球技は除く。


お互いに散々だったハンドボール投げの記録を思い出し、つい笑みがこぼれる。


ふと鏡を見る。


少し伸びて肩までかかっているウルフカット。


ここ最近はずっとこの髪型を維持している。


理由は単純、駿太に褒められたから。


『俺はファッションとか詳しくないけど…その髪型、すごく似合ってると思うぞ。』


…と、以前言ってくれた言葉が、私の心をつかんで離さない。


「うへへ…」


にやける私。


ということで、今日はいつも以上にセットをしっかりする。


…どうせ体を動かすから髪は乱れるだろうけど。


それでも、会った瞬間に最高に可愛い姿で会いたいから。


私は鏡の前で全力で見た目を整える。


「よし!準備完了!いってきます!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「どうしよう…決まらない…!」


私、坂田(さかた) 玲衣奈(れいな)は部屋にある全身鏡の前で悩んでいた。


今日は慶太…つい先日お付き合いを始めた西郷(さいごう) 慶太(けいた)くんとの初デート。


私の希望と、慶太の興味も相まって、美術館に行く事になった。


しかし、肝心の服が決まらない。


記念すべき初めてのデート。自分のことを可愛いと言える勇気はないけれど…


それでも、大好きな人(慶太)に『可愛い!』って言ってもらいたいから。


私は全力で着飾るのだ。


「あっ…これ…」


ふと目についたのはある上着。


そう、初めて慶太にナンパから助けてもらった時に着ていた服。


「…これにしよう。」


この服をベースにして、少しアレンジしよう。あの時はまだ暑かったけど、今は寒くなってきたから。


服が決まったので、私は洗面所に向かう。


「うーん…どうしよう…」


私はまた悩んでいる。肌のケアはいつもより念入りにするにして、問題は髪型だ。


いつものポニーテールにしようか…でも、初デートだし、ちょっと冒険してみるかな?


「つ、ツインテール…なんて。」


うん。無し。


「…やっぱりポニーだな…」


普段はゴムで括るだけの何の変哲もない普通のポニーテールだが、今日は気合いを入れて、編み込んだローポニーで決める。


髪型も決まり、次に目を付けたのは眼鏡だ。


「め、眼鏡…どうしようかな?」


実用性だけ考えて買ったこの眼鏡。おしゃれとは言えないけど…コンタクトもなぁ…付けられないわけではないけど…


私はあの日のことを思い出す…


『碧ちゃん…私、思いきって普段からコンタクトにしようかなって…!』


『玲衣奈…眼鏡はバフアイテムだよ。』


違った。この記憶じゃない。ええと…


『なあ、駿太、洋介。眼鏡っ娘って良くね?』


『急に何言ってんだよ慶太。』


『キモいよ慶太。』


『そんなストレートに言わなくて良くない!?』


…何か違う気がする。


思い出せないけど、この眼鏡の私を見ても可愛いと言ってくれたから、今回はこれにする。


…可愛い眼鏡、一緒に選ぼうかな…


よし!決まった!これで大丈夫!


…可愛いって、言ってほしいな…


私は浮かれ気分で玄関を開けた。


「行ってきます!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「~♪」


「ねーちゃん…早くしてよ!」


「いやーごめんごめん。つい…」


私、増田(ますだ) (あお)は、最近付き合うことになった三浦(みうら) 海斗(かいと)くんとのデートの準備をしている。


…で、洗面所を使っていたら、7歳年下の弟、蒼空(そら)に文句を言われたのだ。


「どうせ海斗くんはどんな格好でも褒めるんだから、拘んなくて良いじゃん!」


「チッチッチ…甘いぜ、弟。」


私は蒼空に向かって指を振る。


「確かに海斗くんは私がどれだけ見た目に気を遣わなくても褒めてくれる。それはもう盛大に!あの優しい笑顔で!好き!」


「ああ…うん。そうだね。」


蒼空は呆れた様子で私を見る。


そうだ、海斗くんはどんな私でも褒めてくれるけど…


「でもだよ?だってだよ?」


「海斗くんに可愛い姿を見せたいってやつでしょ?」


「わかってんじゃーん!」


流石我が弟、よくわかってるぅ!


「全く…洗面所を使うのは良いけど、俺だって友達と約束があるんだから、早くしてよね。」


「はーい。」


蒼空が洗面所から出るのを見届けたあと、私は再び鏡を見る。


「さて、髪型どうしようかな?」


肌のケアはいつも以上に気合いを入れたから、あとは髪型だけだ。


「…巻くか!」


普段のストレートのセミロングでも良いと思ったが、今日は思いきって巻いてやる!


ヘアアイロンが熱するまで待って、髪を巻き始める。よし、カールは久し振りだけど使い方は大丈夫そう。


巻き終わり、私は再び鏡を見る。


「…ちょっと巻きすぎたかな?」


でも、思ってたより『ふわっ』とできた。うむ。満足満足。


「ねーちゃん!終わった?」


「終わったよ。」


私の返事を聞いて、蒼空はひょこっと顔を出した。


私は可愛い弟(蒼空)の頭を軽く撫でて、玄関の扉を開けながら告げる。


「じゃあ、行ってきます!」



おしまい

試しに作ってみました。


結構楽しかったです。


またちょこちょこやります。

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