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神宮寺ソフィー。
なんでも私の先輩に当たる人物だった。
2年でもこんな辺鄙なイベントに出るものなのかと、この世界の厳しさを改めて実感する。
夢を見て、扉を叩いて。
自分の住んでいた世界では、他なんて無い。
だからこそ、行けると思ったのかもしれない。
けど、甘くなかった。それが事実。
「こんなにお客さんが盛り上がってるのって初めてなんだ」
ソフィーはしみじみと言う。
悔しそうに見えるけど、いい事じゃない?
「私ね、去年も出てるの。今の……そうだな、半分くらいの人」
「……それは、閑散としていますね」
ステージ上に誰もいなくなって、しばらくザワザワと余韻に浸っているのか、次を期待しているのか。
まあ、楽しそうな人達を見ると、みんなが口を揃えて言う所の人気のないイベントというのを想像しにくい。
「まあ、去年のことは知らないですけど。人がいっぱいで、楽しんでくれてて。楽しくなかったんですか」
「ううん。すっごく楽しかったよ!」
屈託ない笑顔でそう言う。その後に落ち込んだ顔を見せてこうも言った。
「ただ、悔しさもあるんだ」
「悔しさ」
「影崎夜が来なければ、人は集まらない。私では人を集められない」
なるほど。
勝ち馬に乗る、では無いけれど。
誰かがこの環境を作って、それに乗じているだけと考えて悔しいのか。
各々好き勝手に楽しんでいるその裏側に関われているかどうか。
そこを気にしている。
今後自分一人でこの会場を作らないといけない。
そう考えて、ソフィーは現実的では無いと実感してしまったのか。
「それにね、あなた達にも苦渋を舐めさせられてると思ってる」
「……なんで!?」




