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「急ぎましょう」
プロデューサーがそう急かし、私達を舞台裏へ。
昨日も来た旧校舎へ向かう。
もう既にほとんどのアイドル達が準備を整えていた。
「すみません、出遅れちゃいましたね」
京愛、蒼ちゃん、私と別々のスタイリストさんが大慌てでメイクの直しをしてくれる。
その中でプロデューサーに勝手なことをしてしまって、予定を狂わせた事を詫びたけど、プロデューサーは首振って、
「何を言いますか。とんでもないフライングをしてしまったくらいです」
と、相変わらず無表情で分かりずらい顔でそう言った。
会場は既に入り始めている様で、活気がここまで伝わってくる。
「なんだか、凄い。正直舐めてたや」
「いつもはもっと閑散としてるんですよ」
私の独り言をスタイリストさんが拾って苦笑いで答えてくれる。
「え、そうなんですか?」
「あ、夢。間に合ったね」
氷翠が私たちを探してたみたいだ。
心配をかけた。
そして、その翡翠は去年と比べてこう言った。
「影崎夜が来てるとしても、異常なくらいな盛り上がりだと思う」
氷翠は私たち3人を見る。
「ステージじゃなくて、別のところでアピールしたアイドルが居たからかもしれないね」
「へー、卑怯と思うかい?」
「いいや、無いチャンスを拾って物にしたと感心するよ」
「負けないよ」
氷翠はそう言い残し去っていく。
リハかな。
凄い評価してくれたみたい。
……プレッシャーかけに来ただけかな?
実感湧くと、目がぐるぐるする!




