155
「と、言うわけで入場ゲートで手伝うよ!」
京愛と蒼ちゃんに無事に手伝いさせていただくことに許可を貰えたと報告すると、京愛は感心したように言う。
「お前は行動力が桁違いだな」
「そ、そうかな。えへへ」
普段素っ気ない京愛がまさか褒めてくれるなんてと感動して、照れてしまう。
「褒めてないからな。かなりふざけんなって思ってるからな?」
違ったようだ。
よく見ると、ピキピキしてらっしゃる。
顔にめんどくさいとも書いてある。
「そんな……蒼ちゃんも?」
「ううん。夢、えらい」
もしかして後先考えずに周りを巻き込むだけ巻き込んで不幸を撒き散らしているのかと不安になり、最後の砦、蒼ちゃんにきいてみる。
ここで、蒼ちゃんが「そう、めいわく」と言ったらその時点でアイドルは引退かもしれない。
しかし、蒼ちゃんはやっぱりアイドルなだけあって優しく、欲しい言葉をくれる。
大好き!ぎゅーっとしちゃう!
「ほらー!私偉いって!ねー!」
「ねー」
「はぁ、うざ」
心底面倒くさそうな京愛。
吐き捨てるその言葉は絶対零度だった。
「ちょっと!?グループに亀裂入っちゃうよ!?その発言!?」
「なら、お前は行動で亀裂を入れてるな」
ニヤニヤしながら揚げ足を取るように言われてしまった。
確かになぁと思う。
京愛の気持ちなんてマジで本当に1ミリも考慮しなかったしなぁ。
ここで、最低なパフォーマンスをされたらたまったもんじゃないし、なにより私の為に一緒に練習してくれた人や、宿の人、プロデューサーに申し訳ない。
「うむむ……。分かった」
「あ?」
「無事に終わったら1つ。できる範囲で言うことひとつ聞くから」
「ほーう?」
「うっ。できる範囲だからね!」
私に出来ることならばとそう言ったけど、京愛の顔を見て早まったかなぁと速攻後悔した。
頼むから常識の範囲でいてくれ!




