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こんなにも一生懸命に命を賭して頑張ってるのに!
恥ずかしいし、冷静になると何やってるんだろうって気持ちがどんどん強くなってくるけど、頑張ったのに!
私が涙目になるくらいショックを受けていると、太陽がやれやれと言った感じでギュッとハグをして頭を撫でる。
「頑張った、頑張った」
太陽にそう言って貰えて嬉しい。
強く強く抱きしめ返すと周りから黄色い声援が爆発したかの様に聞こえてくる。
「な、なに!?」
「あー……」
太陽が私との立ち位置をくるっと変えると、太陽が微妙な声を出した理由がわかった。
全員が私を、私たちを見ていたのだ。
「あ〜……」
言葉もない。
「どうしよう」
「んー、アイドルらしく駆け抜けて行け!」
太陽がトンっと背中を押す。
つんのめって振り返る。
車から全員飛び出して、太陽がさけぶ。
『アイドルが通ります!道を開けろ〜!!』
その声に答えるように人一人が通れるくらいの隙間が空く。
私たちは駆け抜ける。
途中でバスの中のアイドル達にも手招をする。
「おいっ!お前らも着いてこいよ!」
京愛がそう言うと、戸惑いが隠せないアイドルたちを横目にしながらも私はらしくもなく、どうするんだろうと値踏みをしていた。
ここで飛び出せ無い子は無理だろうと。
さっきまでの、昨日までの自分をかせながら見る。
私は笑ったと思う。
林道涼香は特別なんだなった思えたから。




