11 「冒険者の仕事とは」
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「エールのおかわり!」
「こっちは果実酒持って来て!」
歓楽街に店を構える『シェリーの酒場』へやってきた俺とキョウカ。ガヤガヤと賑わう店内は、仕事が終わった労働者や冒険者達で溢れていた。
「凄ーい! 私、酒場なんて初めて来ました! なんだか大人になった気分です!」
「キョウカはまだお子ちゃまだもんな。言っとくが酒は飲むなよ?」
「ぶぅぅー! どうせお子ちゃまですよ!」
「フォグさんにキョウカちゃん! こっちよ~」
入り口前でキョウカをからかっていると、酒場の店主とは思えない透き通った声のシェリーさんが、俺達を呼んでいた。
カウンターから手を振っているシェリーさん。
手を振る度に手に収まりそうにない大きなおっぱいが揺れる。
ごちそう様です。今晩のオカズが出来ました。
「ハァー。ほらフォグさん行きますよ」
「いざ、おっぱいへ」
呆れ声のキョウカと共にカウンターへ向かうと、シェリーさんは胸がときめくような素敵な笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい。さっそく来てくれて嬉しいわ」
「素敵な女性からの誘いにのらない男はいませんよ」
「くっさー。シェリーさん気を付けて下さいね! この人シェリーさんのおっぱい狙ってますよ!」
「お前なんて事を!」
「さっきお子ちゃまって言ったお返しだよーだ。ベェー」
「フフ、相変わらず面白いお二人さん。これ、飲んで」
俺達が馬鹿なやりとりをしている間に、スマートな手つきで飲み物を用意してくれたシェリーさん。さすが大人の女性は違うな。
「ありがとうございます。因みにこれは?」
「それは30年ものの蒸留酒よ。何か特別な時に飲む私の宝物。あ、因みにキョウカさんのはジュースだけど良かった?」
「はい大丈夫です。それより、シェリーさんの宝物なんて飲んでいいんですか? きっと高いんじゃ……」
「いいのよ! 助けてくれたお礼なんだから遠慮なく飲んで!」
「そういう事なら、遠慮なく頂きます」
「シェリーさん! 私、お腹空いたので何か食べたいです!」
「分かったわ。何か作って持ってくるわね」
「お前な~。すいませんシェリーさん」
「良いの良いの! 折角だからフォグさんにもおつまみ作ってくるわね」
遠慮のないキョウカのお願いにも、快く料理を作りに行ってくれたシェリーさん。何から何まで、大人の魅力溢れる女性だ。
こっちの食いしん坊なお子ちゃまとはえらい違いです。
「フォグさ~ん。今シェリーさんと私を比べて、私を馬鹿にしてたでしょ!?」
たくっ、こいつの勘は獣並みだな……。
「んな事ねえよ……さ、さあ! ルーキー卒業祝いと昇格祝いに乾杯しようぜ!」
「ん~、怪しい……まあ良いです! 折角の酒場デビューだし、楽しまないと!」
怪しみつつも杯を掲げたキョウカと乾杯する。
シェリーさんの宝物だという蒸留酒を一口飲んでみると、芳醇な香りと自然な甘さが口に広がり、強い酒精が喉を熱くした。
まさに、宝物というだけある大人の酒だ。
その後、料理を持って来てくれたシェリーさんとお喋りしつつ楽しい一時を味わっていると、食べカスを付けたキョウカが俺達の仕事についての疑問を俺に投げ掛けてきた。
「フォグさん。冒険者について分からない事が有るんですけど、聞いても良いですか?」
冒険者についてか……まあ、分からないのも無理はない。
キョウカはDランク冒険者に昇格したが、知識についてはまだルーキーだ。教育も半ばだったし、教えてやるか。
「良いぞ。何が知りたい?」
「うーんと、冒険者のお仕事がモンスターの討伐や町の人の手伝いって事は分かったんですが、私達のお仕事ってそれだけですか? なんか冒険者ぽいお仕事って他に無いんですか?」
「まあ確かに、モンスター討伐や町の手伝いじゃ冒険者っていう名前じゃなくてもいいだろう。だが、俺達冒険者がする仕事には、もっと冒険者らしいものがある」
「え、なになに!? 教えてください!」
「それは──ダンジョン探索と開拓依頼だ!」
「おー! ダンジョン! やっぱり有るんですねダンジョン!」
「ダンジョンは突然現れる洞窟だ。ダンジョンには眠れるお宝や、貴重な鉱石がある。それを狙って冒険者達はモンスターの巣窟に挑むんだ。ダンジョンは貴重な資源の山でもあるから、国が管理してる事が多い。既存のダンジョンに入るにも、制限があるから俺達じゃまだ入れないな」
「制限とはどんな?」
「ダンジョンには危険度によってそれぞれランクが付けられてる。例えば、危険度C以上のモンスターが居て、罠が沢山仕掛けられていれば危険度Bのダンジョン。危険度Dのモンスターしか居なくて、罠も無ければ危険度Dのダンジョンてな」
「成る程、じゃあDランク冒険者の私だったら危険度Dのダンジョンには入れるんですか?」
「いいや入れない。そもそもダンジョンに入るには三人以上かつ、ダンジョンの危険度以上のランクを持った冒険者が二人必要なんだ。ギルドからすれば、無茶をして簡単に死んで欲しく無いからな」
「うーん……て事は、私達がダンジョンに入るには最低でも仲間を後一人増やさないといけないんですね」
「そうだな。まあ、先ずは俺達が強くなる事が目標だな。次に仲間を増やすって感じか」
「そっか~。なら、増やす仲間の人は女性にして下さいね? 私、フォグさん以外の男の人と組むのは少し怖いので……」
「あ? ああ、それは別にかまわない」
いや、願ってもないです。
出来ればおっぱいが大きい女性でお願いします。
「仲間のおっぱいは私が守る」
「な、なに言ってんだよ!」
「フォグさんの考えてる事は筒抜けです。それで、もう一つの開拓依頼ってなんですか?」
「ぐっ……開拓依頼はその名の通り未開の地を切り開く仕事だ。例えば、国が聖域の森を切り開いて新しい町を作りたいって依頼してきたら、俺達冒険者は聖域の森を開拓して町作りの為の土地を確保するんだ。まあ、聖域の森が開拓される事はないがな」
「成る程~。じゃあ纏めると、私達冒険者は世界各地を回ってモンスター討伐やダンジョン探検、開拓依頼をして生活してるんですね! なんか冒険者ぽい! ワクワクしてきたー!」
ワクワクね……俺も最初はそんな気持ちだった。
まあ、それをこなすには腕っぷしも必要だがな。
それには、強くならなきゃな。特に俺が……。
ランダムスキラー。
その力が分かった今、俺にはやる事がある。まだ倒した事がないモンスターを倒して、スキルをゲットするんだ!
何故モンスターがスキルを持っているのか分からないが、折角スキルを増やせるんだ。狩って狩って狩りまくって、キョウカに負けない化け物スキラーになってやる!
そしていずれは──
伝説のSSランク冒険者になって、沢山のおっぱいを揉んでやるんだ!!
「フォグざ~ん。またスケベな事考えてる~! ウヒャヒャッ」
あれ? キョウカの様子が変だぞ?
もしかして、進化するのか?
「あらあら、お酒の匂いで酔っちゃったみたいね」
シェリーさんの言葉でキョウカの顔をまじまじと見てみると、確かにその顔は真っ赤に燃えあがっていた。
「おいおい勘弁してくれよ……」
「なにをかんべんしゅるんですしゅか~! もうご飯は完食しましたよ~? うへへっ」
「これはダメね」
「ダメですね」
呂律が回らず意味不明な言葉を吐くキョウカ。
まさにベロンベロンという言葉が相応しい。
「まったく世話のかかる女だ! シェリーさん。残念ですが今日はここらで失礼します」
「ええ、またいつでも来てね。待ってますよ」
カウンター越しに体を寄せ、耳元で呟くシェリーさん。
おっぱいが……おっぱいがあた、あたたた当たってます!
「必ず来ます! 明日も来ます! 毎日来ます!」
「あら、嬉しい事言ってくれるわね」
「ほら、酔っぱらい! 帰るぞ!」
「えー、もう帰っちゃうんでしゅか~」
グダグダのキョウカを肩に担ぎ、酒場を出る。外まで見送りに出て手を振るシェリーさんに手を振り返し、俺達は宿屋を目指した。
「──ハァー疲れた……ほらっ、ベッドに寝ろキョウカ」
「はーい」
宿屋に着いた俺達は、今日も一室だけ空いていた二人部屋にチェックインした。
酔っぱらいをベッドに寝かせ一息ついていると、なにかグダグダとキョウカが喋り出した。
「フォグさんに出会えて良かったです~。だって、あのまま森に居たら私絶対食べられて死んでたし、仮に生きていたとしてもきっと森をさ迷ってました……だから、フォグさんと出会ったのは女神様の計らいだと思うんです。これからも宜しくお願いしますね?」
「なんだよ急に……うーん、まあこっちこそ宜しく……って、寝てやがる」
なんなんだよこいつ……あれ?
なんかキョウカが色っぽく見える……。
はだけた胸元に生足。
酔っているせいか肌はほんのり赤い。
幼いはずの顔は妙に色っぽく見える。
「16の小娘に発情するなんて……こりゃ俺も酔ってるな」
キョウカの姿を見ないよう、ベッドに横になって天井を見上げる。どうせムラムラするならシェリーさんのボインボインを想像して寝よ。
「ダメだ……余計ムラムラしてきた」
どうしようもない気持ちを胸に、俺は眠りに落ちる。
怒髪天の息子を諌めながら……。
『──チュンチュンッ』
「んぅ……もう朝……? あれ? 私なんで胸元が……も、もしかして!? しちゃったのー!?」
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