12 「母さん父さん、俺はとうとう!」
評価&ブクマ、ありがとうございます!
今回はちょっと短め。
次回は少し長めにいきます。
「なんだよ、キョウカ……朝からうるさいぞ」
「だ、だって!! あの、その……私達しちゃったんですか!?」
「なんだしちゃったって?」
「えっ!? あ、あれですよ! 大人の遊びというか、夜のスポーツというか……男と女がするあれですよ!」
はは~ん。こいつ俺達が夜の営みをしたと勘違いしてるな?
小娘を襲ったなんて心外だが、勘違いさせとくのも面白い。
「あ~、あれね。確かに凄かったな~。右へ左へ上に下に、縦横無尽だったぞキョウカ」
寝相がね。
「それに凄い声だった……俺はあんな声初めて聞いたぜ」
寝言だよ。
「お陰で頭はクラクラするし、少し寝不足だ」
二日酔いです。あ、寝不足は本当だよ。
寝言で何回も起こされたからね。
「そそそ、そんなー!! どうしよう……私初めてだったのに覚えてない……」
「安心しろ、俺も初めてだった。まあ、そういう事だから仲良く狩りにでも行こうぜ」
「う、うぅぅ……」
おおっ、赤くなってる赤くなってる。
本当にからかうと面白い奴だな。
さて、そろそろ勘違いを解いてやるか。いや待てよ……このままだったら、俺はおっぱいを揉めるじゃないか?
「キョウカ、お願いがあるんだ」
「な、なんですか?」
「元気が出るようにおっぱいを揉んでも良いか?」
「えっ!? だ、ダメですよ!」
「別にいいじゃないか! 昨日あれだけ揉んだんだ。一揉み位しても良いだろう!」
「うぅ……わ、分かりましたよ! 本当に一揉みだけですからね!」
恥ずかしがりながらも許可を出したキョウカ。
俺はキョウカの後ろに回り込み、心の準備を整えた。
「では、失礼……パフパフ」
「あっ……ん……」
凄い! これがおっぱいの感触というものなのか!!
母さん父さん兄貴達……俺はとうとう、小ぶりながら至高の山に触れる事が出来ました。
「おめでとうフォグ」
「良くやった。それでこそ我が息子」
「なんだよ~、フォグに先を越されちまったか」
「「おめでとうフォグ!」」
そんな祝福の声が頭に響く。
今まで、生きてて良かった……。
「あ、ちょっと……いつまで揉んでるんですか! もう終わりです! は、早く朝ご飯食べて行きますよ」
こんな状況でも朝ご飯は食べるのね……。
その後、俺達は朝ご飯を食べてそのまま森へ向かう事にした。
今日から俺の強化を主に、狩りを行う。ついでにランクを上げる為、危険度D以上のモンスターも狩られねば。キョウカに抜かれたままじゃ悔しいからな。
──そして森を歩く事数十分、最初のモンスターが出てきた。
ブンブンと羽音を鳴らしたモンスターが俺達の周りを飛んでいる。アイツは……"キラースピアー"だ。
「なんですかあのでっかい蜂! 私の顔よりおっきいですよ!!」
「アイツはキラースピアーだ! 一匹の危険度はEで大した事無いように思えるが、キラースピアーは集団で襲ってくるモンスター。数100匹のキラースピアー達に襲われればひとたまりもない!」
「じゃあ、他にも何処かに潜んでるんですか!?」
「それは分からん! この近くに巣があるのかもしれし、たまたま通りかかっただけかもしれん。だが幸い今は一匹だ! 今の俺だったら倒せる筈。殺ってくる!!」
「気を付けて下さいよ! 因みにキラースピアーのスキルは痺れ針です! くれぐれも針を喰らわないで下さい!」
「ああ分かった! ──さあ来い!」
キョウカから距離を取り、頭の上でブンブン飛び回っているキラースピアーを威嚇するように、鋼の剣を負けじとブンブン振り回す。
キラースピアーはそれに気付いたのか、怒ったような羽音で俺に突撃してくる。
ケツを突きだし、俺に針を刺そうとするキラースピアー。
体まで数センチに迫ったところで横っ飛びで回避し、後ろに回り込む。
キラースピアーは俺を見失った事で、辺りをキョロキョロと見回していた。
そこに背後から素早く近付き、斬る!!
胴体を真っ二つに斬られたキラースピアーは、力なく地に落ちる。
「殺った! やったぞキョウカ!」
「凄いですフォグ! ……ん? なんかブーンって音しません?」
「あ? 音なんて──」
『ガサガサッ、ブーンッブーンッ』
「嘘でしょ……」
「逃げるぞキョウカー!! 囲まれて刺されたら終わりだ!」
「あっー! ちょっと待ってよフォグさん!!」
「走れキョウカー!!」
ちょうどキラースピアーを倒したのは木の真下。
奴らはその木の茂みからガサガサと顔出してきた。
倒したキラースピアーが危険信号でも出したのかもしれない。
兎に角、逃げねえと……。
「ヤバいー! フォグさんどうします!? 私のスキルで倒しますか!?」
「ダメだ! 昨日の様子じゃ、あれだけのキラースピアーを倒すのに相当な精神を消費しちまう! ここは逃げの一択だ!」
集団で追いかけてくるキラースピアー達から全速力で逃げる俺達。数分走り、息が上がってきた所で洞穴を見付けた。
とりあえず彼処に隠れるしかねえな……。
「おい、キョウカ! 彼処に洞穴があるから隠れるぞ!」
「は、はい!」
そこから猛スパートをかけ、洞穴へ飛び込む俺達。
洞穴の入り口をブーンと通り過ぎるキラースピアー達を確認し、やっと一息ついた。
「ふぅー、逃げ切れましたねフォグさん」
「あ、ああ……しかし真っ暗だなここ。キョウカ、なんか明かり作れないのか?」
「明かりですか? えーと、光のスキルで作ってみますね!」
洞穴のひんやりとした壁に寄りかかった俺が明かりを頼むと、キョウカはゆっくり立ち上がり、少し思考した顔をした。
「よし……光れ! ライトアップ!」
キョウカの掛け声で光の玉が現れ、頭上にフワフワと浮き出すと、眩い光が溢れ出してくる。
「おー! 明るいな! これで安全に出られ……」
「これって……」
光で照らされた洞穴を見渡すと、俺達は見てはいけないものを見てしまった。
俺は逃げるのに必死で失念していたのだ。
暗くてジメッとしている所が大好きなモンスター達を。
「「ギギッ!」」
「「キッー!」」
「ゴブリンとコンフュバット……ここはコイツらの巣穴だったのか……」
「ヤバいですよフォグさん……入り口はコウモリみたいなモンスターに塞がれてるし、反対はゴブリン? で、一杯です……」
危険度はコンフュバットがE、ゴブリンがDだ。
だが、ヤバいのはそこじゃねえ。
ここが洞穴で逃げ場がねえって事だ。
どうする俺……超絶ピンチだぞ……。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます!
面白いと思って頂けましたら、評価&ブクマして頂けるとたいへん嬉しいです!




