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13.赤髪=ツンデレの法則

フクヤノカタヲオヨビシテイル。



ハイネさん曰く私の服を揃えるらしい。昨日今日と着ている服は、実はジアの服だったそうな。ジアはテルと同じパンツスタイルの服をよく着ていて、スカートタイプはあまり好きじゃないから余っていたらしい。



まあそれなら、服を買うのもまあ普通か⋯⋯いやいや、ちょっと待って。



それならジアの使わない分で良くないですか?とハイネさんに聞いたら、普通に駄目ですと返された。最低限の身嗜みとして必要だ、と。

前世に新品の服を着たことがなく、別に明らかに拠れてたり破れたりしてない服ならいいんじゃない?と思ってしまう貧乏性の私にはちょっと、いや大分複雑である。



しかも店の方から出向いてきてくれるというね⋯⋯

なんだろう、何も悪いことをしていないはずなのに何故か罪悪感的なものが湧いてくる⋯⋯



とは言っても流石にここ───後宮内だったらしい───に直接来させる訳には行かないので、少し移動する必要はあるらしいけれど。

いやまずそんなところに私を入れるのが駄目では?と今更ながらに思った私だった。



小一時間テルとジアとじゃれて遊び、その後ハイネさんに呼ばれて行ってみると、3人まとめて服やら髪やらを直されて、最後に青薔薇の髪飾りを付けられた。



「ハイネさん、これはなんですか?」


「あなたたちが姫の保護下にあることを証明するものです。外さないでくださいね」



ふーんと思い、壊さないように気をつけながら触ってみると、ガラスのような冷たさと細かい凹凸が手に伝わってきた。すごく繊細そうだったのですぐにやめた。

髪飾りに関して、ジアは気にしてないけどテルは結構気になるようで、外そうとしてハイネさんに笑顔されていた。



「それでは行きますよ」



部屋を出て、昨日とは反対側の廊下に歩いていく。

窓の外を見ると、空は雲ひとつない青空で陽光が庭園に降り注いて、芝生が青々と光っていた。

あそこでお昼寝したら気持ちいいだろうなぁ、とは思うが、なんか干物になっちゃいそうな気もする。



廊下を歩いて行くと、段々と飾られているものが絵画や彫刻から武器防具へと変化していった。

興味深そうに見ている私たちに、ハイネさんが説明してくれる。



「この辺りは野蛮な第2王子の区画なので、物騒にあれが改造したんですよ」



本当にめちゃくちゃ嫌いなんだな、とハイネさんの毒虫をかみ潰したような顔を見て思う。

まあ昨日会ったあの王子様の感じを考えたら、闘いが好きというのもなんとなく納得出来た。



更に進んで曲がって階段も降り、ようやく装飾品が戻った頃、ハイネさんは豪華に装飾されたドアの前で立ち止まった。

ハイネさんがノックをすると、エリシア様の声と共にドアがひらかれた。



「スイウおはよう!朝は居なくてごめんね」


「いやまあ、私が寝坊しただけなので⋯⋯」


「テルとジアも、来てくれてありがとう」


「姫様に呼ばれたから」


「うん」



そしてエリシア様は私、テル、ジアの頭を何故か順々に撫でていく。

テルとジアを撫でたくなるのは分かるけどなんで私まで?まあ悪い気はしないからいいんだけど。



「あ、そうだ。クレア、ちょっとこっち来て」



エリシア様が呼ぶ方を見ると、ドアのところに前世の私と同じくらいの年だと思われる女の人が立っていた。

髪も瞳もまるで染めているように真っ赤で、レイさんと同じ騎士服を身につけて腰に剣を差している。



⋯⋯なんかどこかで見たことあるような⋯⋯



「スイウ、この子は私の護衛騎士でクレア・アルファルト。一応会ったことあるんだけど、覚えてる?」


「⋯⋯⋯⋯あ、私がここに運ばれた夜の⋯⋯」



そういうと、クレアさんは静かに頷いた。ちょっと嫌そうな顔をしながら。



「改めて、私はクレア・アルフォルト。私の仕事は姫を守ること。だから余計な動きをするなら容赦はしな⋯⋯」


「クレアー」


「何してるの?」



テルとジアが容赦なくクレアさんによじ登っていき、肩の上に乗ったり腕にぶら下がったりする。

クレアさんの顔は盛大に引き攣りながらも、体勢が崩れることは無い。さすが騎士。2人も楽しそうにしている。



「⋯⋯こんなふうにね!」


「テルとジアに懐かれるのはいいことじゃない?」


「姫、これは懐かれてるのではなくて舐められてるのですよ⋯⋯」



と嫌な顔をしながらも、何故か2人を振り払ったりしない。というよりむしろ、登りやすいように身体を少し動かしているし、なんならちょっと口角も上がっているような⋯⋯?

ここで私は察した。あ、この人ツンデレだ、と。



隣を見ても、エリシア様もハイネさんも温かい視線を向けているので、これは確実だろう。



前世でも創作物の中では、髪が赤い人はツンデレが多かったからなぁ、となんか感慨深い。

⋯⋯あれ、そういえば青髪って負けヒロインが多かったような⋯⋯



「⋯⋯ま、まあ、ほら、服屋さんももう来てくれてるし、早く行こっか!」



と、エリシア様の一言でクレアさん鑑賞会(仮)は終わりを迎え、私の服選び、言葉を変えれば私というお人形遊びが始まったのでした。





なおクレアさんはこの後もずっとテルとジアを身体の上に乗っけていた。




ようやく再登場。もっとここまでスマートに書ければ良かったのですが⋯⋯余計なことを書きまくって字数が膨らんでしまう⋯⋯

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