↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つの竜 ―刻を巡る者―  作者: 水月 遥
第1章 【冒険者試験】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/32

2.冒険者ギルド②--〔冒険者ギルド〕

第4話を開いていただき、ありがとうございます!水月です。


少しずつ物語が動き始めていきます。

ゆったり楽しんでいただけましたら嬉しいです。


それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!

 扉をくぐった瞬間、空気が変わった。


 焼いた肉の香ばしい匂い。

 酒の香り。

 そして、鼻の奥にかすかに残る鉄と革の匂い。


 街路を満たしていた華やかな香りとは違う。


 ここには、仕事を終えた者たちと、これから仕事へ向かう者たちの空気があった。


 広い酒場には、丸い木のテーブルがいくつも並んでいる。


 鎧姿の男。

 大剣を壁へ立て掛ける戦士。

 槍を磨く青年。

 地図を広げて何かを話し合う一団。


 女性の姿もあるが、多くは男たちだった。


 豪快な笑い声。

 木杯を打ち鳴らす音。

 依頼の話。

 武勇伝。


 様々な声が入り混じり、まるで一つの生き物のような活気を生み出している。


 街の喧騒とは、明らかに違っていた。


 街が人々の暮らす場所だとすれば。

 ここは冒険者たちの居場所だった。


 命を懸けて生きる者たちだけが持つ熱気が、この空間を満たしていた。


 テンマは思わず辺りを見回す。


 誰もが堂々としている。

 ここでは自分だけが場違いな気がした。


 その時、近くのテーブルから笑い声が聞こえた。


「去年も東で竜が出たらしい」

「またか」

「討伐隊が出るって話だ」


 別の男が木杯を傾けながら笑う。


「竜騎士になれりゃ、一生遊んで暮らせる」

「だから若い連中が無茶するんだよ」

「命あっての金だってのにな」


 男たちは豪快に笑い合う。

 テンマはその会話を横目に通り過ぎた。


 竜を倒し、騎士になる。

 それがこの国では誰もが知る栄誉なのだろう。


 けれど。


 父は何を思って騎士になったのだろう。


 名誉のためか。

 家族のためか。

 それとも――。


 そこまでは考えず、小さく首を振る。


 今の自分に答えは分からない。

 父の剣は、まだ持つ資格がない。


 ならば。

 まずは、自分の足で歩き始めるしかない。


 そう思い直し、受付を探して視線を巡らせた。


 すると、一角だけ空気の違う場所が目に入る。


 酒を酌み交わす笑い声も。

 依頼の相談をする声も。

 そこだけは、不思議と少し遠く感じる。


 丸い木のテーブルを囲むように、十人ほどの客が静かに耳を傾けていた。


 中央に座るのは、一人の吟遊詩人。

 膝に抱えた竪琴を優しく爪弾き、穏やかな旋律を奏でている。


 やがて、静かな歌声が流れ始めた。


 ――♪

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

応援メッセージはいつでも励みになります。

(※感想・ご要望に関するお願いは【活動報告へのリンク】をご確認ください)

尚、ストーリーに関する「批判はNG」「ネタバレ注意」でお願いしますね。


それでは、次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。