6.奥にあるモノ⑥--〔勝利のあと〕
第23話を開いていただき、ありがとうございます。水月です。
短めの話が続くため、今日・明日と連続更新です。
それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!
「はぁ……」
テンマは剣へ体重を預け、大きく息を吐いた。
全身から汗が噴き出している。
鼓動はまだ早い。
しばらくその場で呼吸を整えると、ゆっくりと身体を起こした。
足元には、倒れた獣が動かず横たわっている。
「……勝った、のか」
実感が湧かず、小さく呟く。
左腕へ視線を落とす。
袖は裂け、血が滲んでいた。
「少し切っただけか」
傷は浅そうだった。
痛みはある。
だが、剣を握れないほどではない。
「帰ったら手当てをしないとな」
テンマは苦笑する。
「……次は回復薬も持ってこようか」
そう呟き、剣を鞘へ納める。
その時だった。
ぷる。
足元へ、小さな魔物が寄ってきた。
「……またお前か」
テンマは苦笑する。
先ほどまで命を狙われていたとは思えないほど、小さな魔物はいつものように身体を揺らしていた。
「行くぞ。ついてこい」
そう言って歩き出す。
目指すのは洞窟のさらに奥。
まだザイドを見つけていない。
その目的だけは、何も変わっていなかった。
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