6.奥にあるモノ①--〔前兆〕
第18話を開いていただき、ありがとうございます。水月です。
しばらく短めの話が続くため、今回は2話連続更新いたします。
それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!
テンマは青白い光に照らされた通路を、ゆっくりと歩いていた。
規則正しく響く足音の後ろから、小さく身体を弾ませる音が続く。
ぷる。
ぷる……。
振り返らなくても分かる。
あの小さな魔物は、まだ後ろをついて来ていた。
「……好きだな、お前も」
呆れ半分に小さく笑う。
もちろん返事はない。
ぷる、と一度身体を震わせると、小さな魔物はまたテンマの後を追った。
その時だった。
ぷるっ。
小さな魔物が勢いよく前へ飛び出し、再び行く手を塞ぐ。
「またか」
テンマは肩をすくめる。
「だから遊んでる場合じゃないって」
右へ避ける。
ぷるっ。
また前へ。
「……」
思わず苦笑が漏れた。
「分かった、分かった」
そう言って横をすり抜けようとした、その時――。
カラン……。
乾いた音が、洞窟の奥から小さく響いた。
テンマは足を止める。
「……ザイド?」
耳を澄ます。
返事はない。
聞こえるのは、水滴が落ちる音だけだった。
ポタ……。
ポタ……。
「気のせいか」
再び歩き出そうとした、その瞬間だった。
ぷるっ!
小さな魔物が、今までで一番強くテンマの前へ飛び出す。
「お、おい」
何かに怯えるように、小さな身体が震えていた。
「どうしたんだ、本当に」
テンマがしゃがみ込もうとした、その時――。
ガルルルル……。
低く喉を震わせる唸り声が、洞窟の奥の闇から静かに響いた。
テンマの表情から笑みが消える。
ゆっくりと剣の柄へ手を掛ける。
「……今のは」
青白い光の届かない闇の向こうで、何かが動いた。
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それでは、次回もお楽しみに!




