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七つの竜 ―刻を巡る者―  作者: 水月 遥
第1章 【冒険者試験】

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6.奥にあるモノ②--〔銀灰色の狼〕

第19話を開いていただき、ありがとうございます。水月です。

一日お休みを挟み、次回また2話連続更新いたします。


それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!

 ガルルルル……。


 低く響く唸り声とともに、闇の奥で二つの青白い光が揺れた。


「……!」


 テンマは反射的に剣を抜く。


 次の瞬間、闇が弾けた。


 銀灰色の狼が岩を蹴り、一息で間合いを詰める。

 青白い光を帯びた毛並みは逆立ち、鋭い牙が剥き出しになっていた。


 その双眸が捉えていたのは――テンマではない。


「ぷるっ!?」


 小さな魔物だった。


 獣は一直線に飛び掛かる。


「なっ……!」


 考えるより早く、テンマの身体が動いていた。

 小さな魔物を抱えるように突き飛ばし、自らがその間へ滑り込む。


 ギィンッ!!


 鋭い爪が剣へ叩きつけられ、甲高い音が洞窟中へ響き渡る。


「ぐっ……!」


 重い。


 想像以上の力に、腕が軋む。


 押し負ける――。


 そう思った瞬間、獣は低く唸りながら後ろへ飛び退いた。

 距離を取ると、獲物を見失ったことなど気にも留めないように、再び小さな魔物へ視線を向ける。


「……俺じゃない?」


 テンマは眉をひそめた。


 普通なら、人間を優先して襲うはずだ。

 それなのに、この獣は違う。


 狙っているのは、最初からあの小さな魔物だけだった。


「ぷる……」


 小さな魔物はテンマの足元へ身を寄せ、小刻みに身体を震わせている。


「……なんなんだ、お前」


 答えが返ることはない。


 獣は低く身構えると、再び地を蹴った。

 テンマは剣を構え直す。


「来い……!」


 洞窟の静寂は完全に破られた。


 青白い光の中で、最初の激突が始まる。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

応援メッセージはいつでも励みになります。

(※感想・ご要望に関するお願いは【活動報告へのリンク】をご確認ください)

尚、ストーリーに関する「批判はNG」「ネタバレ注意」でお願いしますね。


それでは、次回もお楽しみに!

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