3― 立ち回り
此の作品、
一部分一部分が
短めで構成されております。
細々と連載する都合を
考えての事です。
読むのも気軽に読めるかな?と。
悪童達、柄の悪い少年達。さっと数えても十人は軽く超えるのだが、
たった一人の和装の人物に襲い掛かる。
和装の人物は、悪童達と比べても小柄だ。顔はずっと悪童達に向けており、
悪童達に最初に襲われていた少女は未だ見ていない。
「古式投術空気投げ“浮き落とし”」
和装の人物はぼそりと、しかし誰の耳にも届く声で言う。男だと主張している割には高い声であった。
和装の人物が言った時には既に、一番近くに居た悪童の左襟と右肘を
摑んで居た。否、触れてはいるが、摑むと言う程力は感じない。
触れられた悪童は、呆けて眺めている、と言う程に無抵抗であった。其して。
ふわり、と。
言葉通り悪童は浮き上がった、という感じに。
他の悪童達に向かって放られた。
「「うぉあっ?!」」
悪童達二人が放られた悪童を支える。いくら悪童とは言え、
仲間を殴り飛ばしてまで突撃を続けようとするものではない。
が。
「古式攻術基礎押拳」
支えた悪童達の内の右側、和装の人物からすれば向かって左の悪童の腹に、
左拳が当たっている、否触れている。またもやぼそりと言った時には既に
和装の人物は攻撃しているのだ。
どんっ
「「「うおぉあああ??!」」」
今度は三人の悪童達が他の悪童達に向かって弾き飛ばされる。
悪童達は皆、和装の人物を攻められないでいる。
「安心すると良いよ。派手に弾け飛んでいる分、威力は減っているから」
和装の人物は淡々と棒読み口調で言う。戦闘中とは思えない平然さだ。
「なっ……何だよっ?!魔法かっ?!」
悪童の一人が不気味そうに喚くが。
「其んなもの信じているの?只の物理現象だよ」
和装の人物は淡々と返す。魔法等、単なる想像の産物だと言っている。
「糞っ!囲め囲め!!」
悪童の一人が叫ぶ。が、狭い裏道なので中々捗らないが。
勿論、和装の人物も黙って見てはいない。否、誰がどう見ても、黙って静かに立っている様にしか見えないのだが、適切に悪童達を放るか拳で弾き飛ばすかして悪童達に囲ませないのだ。
やがて。
「おっ覚えてろ?!」
悪童の一人が捨て台詞を残し、全員走って退却した。詰まり、悪童達は皆
元気なまま、和装の人物に追い払われたのである。
「安っぽい捨て台詞だね」
和装の人物はやはり淡々と言う。
悪童達に襲われていた少女は。
迚も眩しい理想像を夢見るかの様に。
目を輝かせて其の光景を眺めて居た。




