↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自傷ダメージだけで常に瀕死だったけど、2つ目の固有スキルは回復。  作者: アイギス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/28

中層初のボス

十四層に足を踏み入れると、これまで以上にゴブリンの数が増えていた。二足歩行の魔物への対処は、もう体に染みついている。気配を殺して間合いを詰め、首の付け根に短剣を突き立て、そのまま回転させて斬り落とす。声を上げる暇すら与えない。

 その一連の動きを繰り返しながら、十四層を抜け、十五層へと足を踏み入れた瞬間――空気が変わった。

 草原の中央に、ひときわ大きな影がある。

 全長五メートルはあろうかという、規格外の巨躯を持つ猪――ヒュージボア。

 中層で初めて出会う、階層のボスだった。

「……これは、今までとは勝手が違いそうですね」

 独りごちながら、私は剣を構え直す。

 突進してくる相手の軌道を見極め、直前で身を捌く。かわし損ねれば、確実に肋骨がいくつか折れる威力だ。

 躱した勢いのまま、自分の腕に刃を滑らせる。

 ――ズキリ。

 消費したHPと与えるダメージ、そして消費した割合。その全てが乗った一撃が、ヒュージボアの巨体に突き刺さる。

 四つ足の相手には、突進に合わせたカウンターか、正面からの斬撃。基本はこれまでと変わらない。ただ、一撃一撃の重みが違った。

 何度も繰り返される突進を捌き、何度も自分を傷つけながら、私は少しずつヒュージボアの体力を削っていく。

 どれだけの時間が経っただろうか。ついに巨体が横倒しになり、動かなくなった。

「――やった」

 膝から崩れ落ちそうになるのを堪えながら、私はドロップした素材に手を伸ばす。牙と、大きな毛皮。それから――見慣れない、小さな道具箱のような遺物。

 これが何なのか、私にはまだ分からない。

 試しに、固有スキル【鑑定】を使ってみる。

 視界に文字が浮かび上がった。

『固有スキル【アイテムボックス】――一定容量まで、時間経過なく物を収納できるスキル』

 思わず声が漏れる。

「これは……」

 そのまま、興味本位で自分自身のスキルにも鑑定を使ってみることにした。まずは、唯一スキル【継続回復】。

『継続回復――一秒ごとにHP・MPを2.5%回復する。ただしSPの消費量が二倍になる』

 なるほど、と頷く。今まで感覚的にしか分かっていなかった効果が、はっきりと数値で見えるようになった。

 続けて、【自傷ダメージ】。

『自傷ダメージ――(与えるダメージ+消費したHP)×(1+消費した割合)。ただしHPを消費しなかった場合、与えるダメージは0となる』

 ――こんな計算式だったのか。

 これまで感覚だけで運用してきたスキルの正体を、初めて数字として突きつけられた気分だった。

 そしてもう一つ、私はこの鑑定で重要なことに気づく。

『継続回復 Lv.1』

 スキルにも、レベルが存在する。

 つまり――使い続ければ、このスキルたちも育っていくということだ。

 まだ見ぬ可能性に胸が高鳴るのを感じながら、私は素材をマジックバッグにしまい、十五層のセーフスペースへと足を向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。