Ep.4-1 プロローグ ―天譴―
一人目です
やーっとあらすじ詐欺にならんで済みますな(*'▽')
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降り頻る雨。吹き荒ぶ風。
眼前に広がるのは、さながら終末の光景。その光景に、人々はただ茫然とするばかりだ。
これでも今はまだ本気ではないようで、憤怒を体現したこの嵐は更に勢いを増し、やがてこの国全体を呑み込んでしまうことだろう。
――KYURUOOOOOOOOOOOOOOO!!
終焉が、雄叫びを上げる。
すると呼応するかのように、風が、雨が、その勢いを増す。
それはまさしく、神の鉄槌。不敬を働き、暴挙を侵した人間に襲い掛かる、無慈悲なる天譴。
「(――私は、私たちは、何処で間違えたのでしょう……)」
そんな非現実的な光景を前に、彼女はひたすらに自問自答する。
一体どうして、こうなってしまったのだろうか。この結末は、どうすれば防げたのだろうか。
答えのない、既に手遅れである問いが、頭の中をグルグルと駆け巡る。
ただ、責任を果たそうとした。
双肩にのしかかる重すぎる期待を感じつつ、その中でしかし自らの全力を尽くしたつもり、だった。
だが、蓋を開けてみれば、これ以上ない最悪の展開が彼女たちを待ち受けていた。
――人間の功罪、か。何ともまあ、因果なもんだな……
絶望の最中にある彼女の頭を不意によぎるのは、とある少年の言葉。
学園に入学してすぐに出会った、何とも掴みどころのない不思議な先輩の言であった。
――一つだけ言っとくが……現実にゃあお姫様を助けてくれる王子サマはいねえんだぜ?
知っている。
否、知っているつもりだった。
別に、彼女が現実を舐め切っていた訳ではない。
困ったら誰かが助けてくれるだろう、とか、そんなことを期待していた訳でもない。
だがしかし。人間というイキモノは不思議なもので、いざ現実がそうなるまでは、そうなることを実感できない。
起こり得る可能性としてあるのだと理解はできていても、それが現実のものとなるのを実感することはできないのだ。
「(――私は……)」
勿論彼女とて、あらゆる可能性を真剣に考えた。
議論を重ね、最悪の事態を防がんと必死に行動してきた。
しかし、その上でまさかこんな結末になろうとは、いったい誰が想像しえただろうか。
――いや、あの言葉を鑑みるに、彼はきっとこの展開を予想していたのだろう。
だからこそ、あんな言葉を掛けたのだ、と、今更ながらに後悔が押し寄せる。
「(――過ぎ去ったことは、もう取り戻せません。だから――)」
だから、覚悟を決める。
自分の守るべきものを守るための、唯一の方法。
責任を果たす、最後の縁。
それを口にせんと、一つ息を吸い、言葉を紡ぐ。
「――一つ、御願いがあります」
――たとえそれが、自分の身を亡ぼすことになったとしても
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この国が忘れ去っていった、遠き遠き過去。
人間の功罪。人の業。連綿と紡がれる歴史の中で失われた、建国の記録。
なるほど確かに、この未来はいつか辿るのが必然であったことだろう。
だが、その咎を、たった一人の少女の双肩に負わせてもいいのだろうか。
どんなに優秀だとしても、未だ小さきたった一人のか弱き女の子に、全ての責任を押し付けてもいいのだろうか。
人間の犯した罪だとするならば、それは彼女だけの責なのだろうか。
否、そうではない。そうであっていいはずがない。
それを自覚した少年少女達は、既にこの教室にはいない。
ここに残っているのは、既に自分一人だ。
「(――手を出して、助けるということ、なァ)」
ここに至るまでの数週間を思い出し、椅子に座った少年は天井を、天上を仰ぎ見る。
確かに自分は、必要以上に力をひけらかす真似はしたくない。
この力は赴くままに振るっていいものではないし、仮にそうだとしても責ある咎をわざわざ助けてやるつもりはない。それでは、ただの節操なしだろう。
それでも。
それでも、目の前で為される理不尽には、手を出すと決めているはずだ。
確かにここに至った原因は、ひとえに人間たちの業である。そのことに、異論はない。
だが、その現実に相対し、自らの罪を認め、か弱き拳を精一杯握り締めて、正々堂々と業に抗おうとしているのなら、それは……
ふう、とひとつ息をつき、少年は立ち上がる。
上着をはためかせ、騒乱の中心へと歩を進め始める。
――理不尽なる現実を、打ち払うために。
――第4章 王無き玉座に鉄槌は下る――
序章につき短めですん
ところでですが、タイトルをちょいといじり申した
理由はありません。強いて言うなら五月になったから、でしょうか




