61話 退屈な世界
明日から学校でテストが……
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空は赤く染まり、日は沈みかけていた。一人町をさ迷う浩介は、親友を探して歩いていた。
あれからどれだけの月日が経過したのだろうか。優斗が消えてからまだ半年も経っていない。だが、親友を失うだけでこれほどまでに退屈なのか。これほどまでに時間の経過が長く感じるのか。
毎日時間を浪費する生活に飽きてきたが、他にやることもない。
この世界は退屈だ。数年前、自分はこの世界に来た。正しく言うならば、追放された。自分が手にした力は大きく、人々はそれを恐れた。たったそれだけの理由だった。
幼かったせいなのか、忘れたいだけなのか。過去に住んでいた世界の記憶はほとんど残っていない。正直、思い出したいとは思っていない。
浪費を重ねていたある日、優斗と出会った。優斗は自分に色々なことを語ってくれた。理想談義もそこから生まれたのだ。
優斗の語る理想は精密に練られており、それが実現したならば決して負けることはないのではないかというくらい無駄がなかった。そんな彼に興味を引かれ、浩介自身も影響された。
毎日理想談義をする度に優斗はいい技や戦い方を考えてきた。浩介はそれをさらに良いものにするために、アドバイスとして自分の理想を語った。
この世界で暮らすなかで、唯一の楽しみがこれだった。それを失った今、渇きは潤せない。この世界を出なければ。
先ほど襲ってきた黒いローブの少女。あれは、少なくともこの世界の人間ではないのは確かだ。この世界には存在しない力を持っている。
今も自分のことを監視されている。背後から気配を感じるが、今すぐに対処しなくてもいいだろう。
何か、異世界に渡れるような手がかりがあるはずだ。優斗が異世界に渡ったと仮定すれば、どこかにその方法はある。それさえ見つけられれば、少なくともこの世界から出ることは出来るはずだ。
優斗が死んだとは考えない。そうなってしまえば、自分はやるべきことを失ってしまう。この世界から出られないならば。親友が見つからないならば。退屈な世界に留まるよりは、いっそのこと死んでしまった方が楽だ。
そういえば、優斗は事故に遭った。もしこの世界から出る条件が死だとすれば、自分も後を追うことが出来るかもしれない。だが、今それを実行するには早すぎる。もう少し黒いローブの少女たちに関して把握してからでもいいだろう。
「はあ……退屈だ」
とりあえず、家に帰って暇を潰そう。監視されていることを考えると、いずれ向こうが何か行動を起こすかもしれない。浩介はそう考え、家に帰る。
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