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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第四章

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53話 役回り

ストーリー内でのキャラクターの動かし方は難しいですね。

 「前方にイーターが多数出現! 高ランクのものもいます!」

 戦闘員が敵の出現を知らせる。剛力は熟睡している健仁を起こすと、全員に指示を出す。

 「私が敵陣に切り込む。健仁と小倉は私に着いてこい。他は後方援護に徹底するんだ」

 「了解!」

 合図と共に皆が行動を始める。敵は警戒のために配置されているのだろう。まだこちらには気がついていない。

 敵の本拠地に近づくにつれてイーターとの遭遇も増えていたが、ここまで多いのは初めてだ。健仁は戦闘に自信はあるものの、実戦経験は少ない。

 これならば退屈な方がよかったと、今更ながらそう考える。剛力が「ストラグルモード!」と声を上げる。健仁もストラグルモードを発動し、剛力の後ろにつく。

 「遠距離射撃、開始!」

 剛力が手を挙げて合図を出すと、バイクから砲台が現れる。後方援護の三人がそれを乱射して敵の数を減らす。

 敵がこちらに気がつくと同時に、剛力が走り出す。

 「行くぞ!」

 消えたかと思うほどの速さで剛力が飛び出す。それにかよりは若干劣るものの、健仁も一気に飛び出していく。

 健仁の横に小倉が並ぶ。青い髪の青年は、剣を空中で操作していた。

 剛力が咆哮を上げる。すると、彼の前方に衝撃波が発生して敵を消し飛ばす。

 一人でも十分勝てるんじゃないかというぐらい、剛力は圧倒的だった。彼がいれば、こんな戦争なんて簡単に片付きそうな、そんな気がした。

 「健仁、君は右側を頼んだ。小倉君は健仁の援護を」

 「了解!」

 自分も負けてはいられない。目につく敵を片っ端から薙ぎ倒していく。

 敵を殴り付ける度に、鈍い衝撃が手から腕へ伝わる。拳で貫く度に、体を熱いものが駆け抜ける。

 「これだ!」

 自分が求めていた理想は何か。ただ、純粋に強くなりたかった。それ以外はなにも望まない。だから、力が欲しい。

 生前は、喧嘩ばかりをしていた。相手に勝つことが健仁に優越感を与える。その快感を求めて、毎日のように喧嘩をしていた。

 そして今、自分の求めた理想が現実となっている。立ちふさがる敵は片っ端から薙ぎ倒し、今の自分を止められる敵はいない。

 気がつけば、敵はいなくなっていた。熱くなりすぎたのか、その事になかなか気づかず、敵を探し続けていた。

 「健仁さん、敵はもういませんよ?」

 小倉が健仁に声をかける。健仁は落ち着きを取り戻すと、もう一度だけ辺りを見回してからバイクに戻る。

 小倉は剛力にその事を報告する。

 「私も見ていたよ。健仁は戦闘狂に近いね」

 「ならば、今回の調査からは外した方が得策では?」

 剛力はその言葉を聞いて、少し考えるそぶりを見せる。

 「確かに小倉君の言う通りかもしれないね。しかし、彼は今回の調査において確実に必要になるだろうどのような役回りになるかはわからないがね」

 剛力は断言する。小倉は一応納得したようで、わかりましたと頷いてから自分のバイクに戻る。

 健仁がどのような役回りになるか。彼がどのような決断をするかによって、調査隊の皆の運命が変わる。

 剛力は自分のバイクに戻ると、敵の本拠地へと向かう。


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