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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第三章

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31/75

31話 本部

今日は執筆に時間がかかってしまいました。

遅くなってしまってすいません(汗)

 「ふう……どうにか倒せたな」

 額の汗を拭う。箱形のイーターの攻撃方法が単調なために苦戦はしなかった。アイカが結界を張って防ぎ、奏が動きを制限し、優斗が攻撃を仕掛ける。この繰り返しでどうにか倒すことが出来た。

 時刻はちょうど昼。太陽が真上に上がっており、日差しが眩しい。箱形のイーターに時間をとられてしまったが、ペース的には問題はないだろう。

 再びナビを開いてレーダーを起動する。近くには特に反応はないようだ。青い点が3つ表示されており、それ以外の反応はないようだ。

 緊張が解れたせいか、急に空腹を感じる。奏やアイカも同じらしく、お腹を押さえて情けない顔をしている。

 「時間もちょうどいいし、飯にするか」

 「そうね、私もお腹が空いちゃった」

 「お腹減った〜」

 3人はナビを操作して、あらかじめ用意しておいた弁当を取り出す。空腹に我慢が出来なくなったアイカは、ふたを開けると一心不乱に食べ始めた。

 優斗も弁当のふたを開ける。戦闘員に毎日支給される弁当で、中身はそれなりに豪華だ。まずは好物の唐揚げに箸を伸ばす。大きく口を開け、一口で頬張る。カリカリとした衣の中から肉汁が溢れだす。生前ではここまで美味しい唐揚げは食べたことがないなと思いながら無心に頬張る。

 「優斗、口を開けて」

 奏に言われて口を開けると、いきなり口の中に卵焼きが入ってきた。ふわふわしていて甘い。程よい半熟のお陰で、卵焼きは絶妙なとろとろさがある。

 「うまい!」

 「そ、そう? 今朝作ってきたんだけど」

 「すごいな、こんなうまい卵焼きは初めてだ」

 アイカもごもごと口を動かしながら奏を睨み付けているが、奏は勝ち誇った笑みを返す。よほど空腹だったのだろう、アイカの弁当箱はすでに空になっている。

 「むぐ! むぐぐぐ〜」

 「ん〜? なんて言ってるかわからない」 「むぐ〜」

 こんなやり取りがしばらく続き、あっという間に時間が過ぎた。再びレーダーを確認すると、周囲にいくつか赤い点があることに気づいた。

 「さて、そろそろ再開するか」

 優斗たちは弁当を片付けると立ち上がり、戦闘の準備を始めた。




 本部。会議室では会議が行われていた。いつもならサラディンとアリアと主要な戦闘員だけなのだが、今回はなぜか、デッドガーディアンズのリーダーたる剛力一馬が出席していた。メンバーが集まったことを確認すると、サラディンは会議を始める。

 「今回皆さんに集まっていただいたのは、最近のイーターの活発化についてです」

 議題が提示されるが、どよめきはどころか表情一つ崩さない。想定の範囲内ということだろうか。

 「臨海基地での襲撃や大規模な戦闘などが最近は増えてきています。死者も多く出してしまい、ジェノ策士までも失ってしまいました」

 それを聞いた瞬間、若干だが会議室内がざわめく。

 「なぜジェノ策士が死んだんだ? 確かに臨海基地での襲撃は大規模だったかもしれんが、彼が死ぬほどの数は現れていないのだろう」

 初老の男が問う。

 「臨海基地にたどり着いたイーターは4体。しかし、それはジェノ策士が敵の転送ポイントで防衛戦を行ったからです」

 「策士ほどの人間が討たれるほどの敵がいるならば、ここも危険ということだろう。なにか対策は出来ているのか?」

 「現状は難しいです。絶望のフラグメントの位置を特定されてしまったので、恐らくは位置の追跡もされているはずでしょう。いずれこの本部で大規模な戦闘が起こるのは確実です」

 それを聞いた途端、ざわめきは大きくなった。怯えているのだろうか、汗をダラダラと流しながら顔を真っ青にしている者もいる。

 「それと、イーターを操る者がいるという情報が入っています。詳細な情報はありませんが、恐らくはそいつが黒幕と考えて間違いないでしょう」

 イーターを操る者がいる。それほどの力を持つ者がいるならば、脅威となることは間違いないだろう。ここで、剛力が口を開いた。

 「イーターを操る者か。かつての大規模な戦争を思い出すよ。再びそれが起こるとしたら、今の私たちには戦力が不足しすぎている」

 デッドガーディアンズのリーダーたる剛力が弱気な発言を吐いたことで、ついにざわめきが最高潮になる。取り乱す者もいれば、涙を流して震える者もいる。

 「しかし、対応が出来ないわけではないさ。最近は有望な若者が多くデッドガーディアンズに入ってきているからね。彼らの戦闘力はなかなかだ」

 剛力は笑みを浮かべる。威厳に満ちた彼の表情が崩れ、途端に暖かみを帯びていく。剛力は笑みを浮かべたまま続ける。

 「安心してくれ、今までの状態ならば戦力が不足していたが、大切なのはこれからだ。皆が尽力してくれれば、必ず勝つことは出来る」

 剛力に励まされ、皆が顔を明るくしていく。これがリーダーたる彼のカリスマ性なのだろう。絶望をひっくり返して力に変える。能力も無しに人々を導くことが出来るのは、彼が生前でも大物だったことを物語っている。

 「では、今回の会議はここまでにしましょう。解散」

 サラディンの号令で皆が去っていく。全員が去ったことを確認して、サラディンも部屋を出る。

 「サラディン、少し時間はあるかな?」

 外に出た瞬間に剛力から話しかけられた。その横にアリアが立っていることを考えると、重要な用件なのだろう。

 「問題ありません」

 サラディンの言葉を聞いて剛力は頷く。3人は本部長室に向かった。


最近はPV数やお気に入り登録数が増えてきて感動しています!

皆様いつもありがとうございます~

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