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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第三章

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28話 死神

戦闘シーンです。

戦闘描写は書いていて楽しいですね。

 部屋に入ると、背筋に寒気が走る。死神の浮かべる不適な笑みを見るだけで凍りついてしまいそうだ。しかし、ここで臆してしまっては生前の自分に申し訳ない。数々の強敵を倒すイメージトレーニングをしてきたのだから負けるはずがないと、自分に言い聞かせる。

 「さあ、始めるか」

 死神はそう呟くと同時に視界から消えた。気がついたときには腹に膝蹴りを入れられており、肺の中の酸素が外に出てしまう。しかし、それに苦しむ暇なく死神の攻撃が続く。

 素早いラッシュを食らってしまい、一気にダメージを負ってしまう。体に雷を宿して死神のラッシュを遮ると、すぐさま距離をとる。

 周囲に雷爆を作り出すと、今度はこちらから仕掛けた。体全体に雷を宿し、敵の攻撃を受けにくくすると同時に雷爆の守りが加わる。

 大きく踏み込んで間合いを詰めると、拳を叩きつける。不自然な鈍い感触がてに伝わってきており、疑問に思いながら確認すると、どうやら禍々しいオーラを噴出させて身をコーティングしたようだ。

 それで止まってはならないと、左の拳を叩きつけるが守りを破ることは叶わない。隙が出来た優斗の腹部に、死神は拳を叩きつける。雷を宿したことにより威力は軽減されているが、それでもうずくまりたくなるような激痛が走る。

 周囲に発生させておいた雷爆を爆発させ、その光で視界を塞いでいる間に、優斗は体を雷に変換する。地面に潜り込むと、死神の死角に入る。

 死神は優斗の位置を見失い、辺りを見回している。上手くいったと喜びながら、背後を狙う。一気に飛び出して背中に拳を叩きつけようとするが、行動を読まれていたのか、急に振り返った死神の裏拳を食らってしまう。

 「がはっ!」

 「悪くはない戦法だ。十分に練られている分動きに迷いがない。だが、実践経験が浅すぎるな」

 的確な指摘をされてしまい反論が出来ない。だが、これで手が尽きたわけではない。長年のイメージトレーニングで鍛えた戦い方を破られてたまるものかと、優斗は次の戦法に移る。

 両手に雷を宿す。威力は全開にして、死神に叩きつける。無論避けられてしまうが、それでいい。雷が爆発し、優斗の隙をなくす。雷を回収しながら再び殴りかかる。

 強引な戦い方だが、雷を回収しさえすればいくらでも戦い続けられる優斗には相性がいいだろう。

 しかし、素早さに欠けるこの戦法もことごとくかわされてしまう。

 「どうした、その程度か?」

 「まだだ!」

 ここまできたら最終手段を発動するしかないだろう。体から雷を放出し始める。

 この戦法の意図を察したのか、死神は優斗に向かって殴りかかってきた。

 「もう遅い!」

 部屋中に雷を放出し終えると、優斗は限界まで集中力を高める。部屋中で雷が唸りを上げ、いつの間にか部屋の中は雷が飛び交って身動きが難しくなっていた。

 「最終奥義その壱――雷術結界!」

 雷術結界――飛び交う雷が敵の動きを遮り、なおかつ攻撃を与える技だ。たとえどれだけの機動力があろうと、この技を掻い潜るのは至難の技だろう。

 さすがに死神も対応できないのか、動く気配はない。自分に当たらないように操作しながら、死神に拳を叩きつけようとするが、出来なかった。突如後ろから現れた禍々しいオーラが優斗の手を捕えた。振りほどこうとするが、離れそうに無い。

 「なかなかいい技だ。だが、俺には通用しない」

 死神が手から禍々しい波動を放つと、雷が次々と消えていく。もちろん、雷を回収できなくなったために攻撃方法を失う。優斗は膝を着いた。

 「落ち込むな、お前の戦い方は悪くはない。また今度頼む」

 そういうと、死神は去っていった。




 完敗だった。こちらの攻撃は上手く防がれ、当たったとしてもたいしたダメージを負わせることは出来なかった。

 あの禍々しいオーラが死神の理想ならば、色々と恐ろしい。いかにも死神って感じの見た目はかっこいいが、死神が理想ならば、生前はどんなことをしていたのだろうか。

 考えれば考えるほど恐ろしいので思考を停止する。優斗は気持ちを切り替えるために戦闘道具屋に行った。




 「いらっしゃい!」

 店主のおっさんが大きな声で迎えてくれる。

 「なんかいい武器はありますか? 攻撃力を高めるような」

 「そうだな……」

 おっさんが店の奥に入る。少し経っておっさんが出てくると、その右手には腕輪を持っていた。

 「これは?」

 「こいつはエレクトリックバングル。使用すると高周波の電磁剣が出てくる」

 おっさんはそれを右腕につけると、起動させる。おっさんの右腕が光に包まれたかと思うと、エレクトリックバングルから刀身が現れた。

 手から雷の剣が発生していて、刀身も自在に変えられるらしい。二又に分けたり長くしたりと色々と見せてくれた。

 「こいつの欠点はバッテリーの消費が早いことだが、お前の能力なら半永久的に使い続けられるだろう」

 エレクトリックバングルは優斗との相性は完璧だ。攻撃力を高めたい優斗には完璧な代物だった。

 「これはいくらですか?」

 「こいつはまだ未完成だからな。値段は500ポイントだな」

 現在の所持ポイントは、もともとあった500ポイントに臨海基地での日給と達成報酬を足し、今回の戦闘訓練で手に入れた賞金。ナビには3500ポイントと表示されている。

 「それ買います!」

 「そうか。ほらよ」

 おっさんからエレクトリックバングルを受け取ると、すぐに腕に装着した。試しに刀身を出してみると、蒼白い刀身が現れた。

 重さはほとんどなく、振った感覚が心地よい。これならば、戦闘時に間合いを伸ばすことも出来るだろう。優斗は満足そうに頷くと店を出た。


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