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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第二章

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24話 皆を導く者

2日と3日は家族旅行に行きますので、投稿はお休みします。

 戦闘が始まった。第一波は上手く命中し、ゴーレム型イーターのコアを露にする。こちらが動き出したことで、イーターたちも行動を開始した。

 敵の数は4体。ゴーレム型、クラーケン型、フェニックス型、キメラ型。いずれも金属質な見た目をしており、見た目はかなり不気味だ。

 アランの作戦は、第一波を放ったあとに近距離戦闘員と遠距離戦闘員に分かれて戦う。遠距離戦闘員がコアを剥き出しにして、近距離戦闘員がコアを潰す。1体だけなら確実に葬れるだろう。

 優斗は作戦に従い、敵陣に走っていく。コアが剥き出しになったゴーレム型は、こちらの動きを警戒する。そして、それを庇うようにクラーケン型が立ち塞がる。

 見た目は巨大なイカと言った感じだ。無数に生えた触手は、手数ではかなり厄介だ。それを察した戦闘員たちは、互いを庇い合うように立ち回る。

 近距離戦闘員は班ごとに分かれ、戦闘を開始した。

 傷を負っていないクラーケン型は、優斗を含めたスピード重視の戦闘員に任された。フェニックス型やキメラ型は遠距離戦闘員が対応する。

 「力に自信のあるやつはついてきてくれ!」

 アランが戦闘員に指示を出す。少しでも多くの戦闘員を助けなければ。少しでも多くの時間を稼がなければ。ジェノはこれほどまでに大変な仕事を一人でやっていたのかと、尊敬をすると同時に後悔の念が生まれる。

 今度彼に会ったときは謝らなくてはならないと考えながら、アランはゴーレム型に攻撃を仕掛ける。

 「天より授かりし光の剣――シャイニーブレイド!」

 高らかに声を上げる。右手には光が現れ、それはだんだんと形を作っていく。現れたのは光の剣。長さはロングソードぐらいで、これは彼の理想が込められた武器だ。

 彼の理想は光。かつて己を導いた教師は、常にこの大切さを説いていた。それに影響されたのだろうか。アランは聖騎士――パラディンと名乗り、理想の世界では英雄だった。

 この世界に来たときは驚いたものだ。その教師はこの世界において天才策士ジェノと称されていたからだ。

 アランは、彼の部下になりたいと剛力に頼み、受け入れられた。その日からずっと、ジェノのもとで働き続けた。

 天才策士ジェノと称されているだけあって、彼の練る作戦は死人も出さずに遂行されてきた。アランはその完璧さに憧れ、自分もそうなりたいと願っていた。

 しかしある日、ジェノが死人の出る作戦を提案した。それは突然のことであり、臨海基地の皆も混乱していた。

 それに反対したのは、恐らく自分たちに甘えがあったからだ。ジェノは少しでも多くの仲間を守るためにこの作戦を提案したのだろう。それを提案したときのジェノは、どれだけ辛かったのか計り知れない。

 目の前には惨劇が広がっている。切り裂かれ、潰され、引きちぎられ、体をポリゴンとして爆散させていく仲間たち。その全員が、死ぬ直前にアランの方に向かってなにかを呟いている。

 涙を浮かべながら呟くその言葉は、共通していた。

――死にたくない。

 繰り返し聞かされるその言葉を振り払いながら、今は戦うしかない。力を込めた一突きで、ゴーレム型のコアを破壊する。

 ゴーレム型が爆散するところを確認すると、少なくなった仲間と共に後ろを振り替えると、そこには衝撃的な光景があった。

 クラーケン型は大分消耗してきたのだろう。足も少なくなり、優斗一人と戦っている。他は死んでしまったのだろうか。遠距離戦闘員の方も動きが少ない。所々でポリゴンとして爆散するところを見かける。

 自分の責任だろう。そう考える度にアランは冷静さを失っていく。彼は狂ったように剣を振り上げると、遠距離戦闘員を助けに向かう。

 「うおおおお!」

 叫ばなければ、アランという人格を保てない気がした。すでに発狂してしまった彼は、抑えが利かない。

 目の前にはフェニックス型が立ち塞がっている。これを確実に倒せれば、優斗がクラーケン型を倒したあとにキメラ型を倒してくれるかもしれない。ある程度消耗しているフェニックス型は、一部だがコアが露出している。自分の攻撃力を考えれば、充分に倒しきれるだろう。

 「皆を導く光とならんことを!」

 最大限に力を引き出した一突きは、フェニックス型のコアを捉える。だが、それと同時にフェニックス型の爪が防御を捨てたアランの心臓を捉えた。

 これでいい。アランにとってこれは、せめてもの償いだった。皆を死なせたからには、確実に基地を守らなければならない。ポリゴンとかしていく体を見つめ、彼はため息をつく。

 「ジェノ先生……」

 彼はそう呟くと、体を爆散させた。




 優斗はクラーケン型のコアを破壊し終えると後ろを振り向いた。かなりの惨状だが、敵はあと1体。勝てなくもないなと思い、走り出した。

 体全体に雷を宿すと「ゼログラビティ!」と言って体を飛翔させる。奏はまだ無事なようで、金属針が飛んでいるところを見て安心する。

 体の周囲に雷爆を発生させると、優斗はキメラ型に向かっていった。


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