↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/75

23話 防衛戦

なんだか展開が早いですね。

読み返してみると、ストーリーのテンポが早い気がしました。


祝10000PV達成です!

すごく嬉しいです。ありがとうございます!

 翌日。

 朝から慌ただしく戦闘員たちが動き回っていた。眠い目を擦りながらコンバットスーツを装着する。服装はナビに登録したものの中から選択することで変更できる。

 「まだ5時なのに騒がしいな……」

 何かあったのかと思い、奏を起こしてから会議室に向かう。会議室では、アランが戦闘員たちに指示を出していた。

 優斗が入ってきたことに気がつくと、アランは小走りに寄ってきた。

 「優斗くんか、ちょうどよかった」

 「そんなに慌てて、どうしたんだ?」

 緊張感無く尋ねると、アランはナビのレーダーを開くように言った。

 言われた通りにナビを開くと、基地の周囲に赤い点が4つあった。サイズはやや大きめで、前に戦ったゴーレム型を連想させる。

 「これって」

 「ジェノ隊長の言う通りだったんだ。俺はなんてことをしてしまったんだ」

 イーター側に増援が現れたのだ。高ランクのイーターが4体。優斗と奏が力を合わせたとしても、せいぜい足止めが限界だろう。

 「なぜこの基地を狙うんだ? 特に狙われる理由なんてないはずだ」

 「今朝、本部から連絡があった。この臨海基地には絶望のフラグメントがあるらしい」

 「絶望のフラグメント?」

 「ああ。かつてイーターとの大規模な戦争があったんだ。そのときの親玉の体内にあった物質が、その絶望のフラグメントなんだ」

 アランの話を聞き終えた優斗は、頭の中で整理する。

 絶望のフラグメント。希望のフラグメントと対になる存在。希望のフラグメントが絶望を吸収することで人々を救うならば、これは真逆の効果だ。人々から希望を奪うことで、イーターたちは食事をしやすくなる。

 当然、破壊が出来ないのかと研究されていた。しかし、結論は破壊不可能。効果を封じることがやっとだったので、あまり目立たない所――臨海基地に保管されていた。

 そして、今回の襲撃は囮ではなかった。この基地から絶望のフラグメントの気配を感じ取ったイーターがいたらしく、増援を呼び寄せられてしまった。

 この事をあらかじめ話しておくという選択肢はなかった。デッドガーディアンズ内にイーター側のスパイが混ざっている確率も少なからずあるからだ。

 もしもジェノ隊長の言う通りにしていたならば、多少死人が出たかもしれないが、絶望のフラグメントは死守できただろう。今更な話なのだが。




 アリアは臨海基地の異変に気づいていた。高ランクのイーター。それも複数の反応があるからだ。到着するにはまだ時間がかかるため、臨時隊長のアランに任せるしかないだろう。

 青く長い髪をなびかせながら、アリアは臨海基地に急いだ。




 すべての戦闘員の配置が済むと、アランは待機するように言った。

 敵はたった4体。しかし、それぞれの個体が想像も出来ないような力を秘めており、臨海基地の総戦力を注ぎ込んだとしても1体倒せれば良い方だろう。

 だが、ここで臆するわけにはいかない。皆を危険にさらしてしまったのは自分であり、そのせいで死人が出るなどあってはならない。

 策士と言われた彼が死人を出してまで守ろうとしていたのは絶望のフラグメント。イーターに感知させないために総攻撃を仕掛けようと考えていたのだろう。

 だが、同時にそれは彼の死人を出したくないという感情も含まれていたのだろう。この現状を見れば、すぐに察することができる。ここは全滅するだろうと。

 叶うことなら、部下たちを逃がしたい。しかしそれほどの余裕はない。この世界のことを考えるならば、絶望のフラグメントだけは渡してはいけないからだ。

 少しでも時間が稼げれば、本部から再び増援が来る。デッドガーディアンズの中でトップ3と称される実力の持ち主――アリアだ。

 凍てつく氷の女王とまで称され、かつてのイーターとの大規模な戦争において、大きく貢献したいわば英雄だ。

 「アラン隊長。全戦闘員の第一波が用意できました」

 部下の1人が報告に来た。アランは頷くと、待機中の戦闘員たちに号令をかける。

 「第一波、放て!」

 号令がかかると、たくさんの閃光がイーターに向かって放たれた。




 深夜。ジェノは、イーターのキャンプに動きがあることに気がついた。1体のイーターが召喚陣を描くと、高ランクのイーターが出現する。

 その様子を見たジェノは、少しでも足止めをするべく覚悟を決める。

 「ストラグルモード!」

 高らかに。かつ威厳に満ちた声が辺りに響く。数はかなり多いようで、ざっと見て高ランクのイーターは100体はいるだろう。それ以上かもしれない。

 これほどまでの戦力を注ぎ込んだということは、それだけ絶望のフラグメントを欲しがっているのだろう。臨海基地の戦力を考えると、1体が限界。全て殲滅できるに超したことはないが、自分のレベルでは無理だろう。

 ジェノの存在に気がついたイーターたちは、一斉に攻撃を仕掛けてくる。敵の第一波を華麗なステップでかわしきると、ジェノは体に光を宿して突撃した。

 手が吹き飛ばされ、腕が吹き飛ばされ、足が吹き飛ばされた。体の部位を失うごとに苦痛の叫びをあげるが、まだ戦えると言わんばかりに閃光を放つ。

 彼の理想は光だった。皆を導く道しるべとなるべく、輝き続ける。生前の彼は、教師として生徒を導くことが生き甲斐だった。

 明日へ、未来へと繋ぐために、彼は己の体を武器とする。もはや四肢を失い動けなくなった彼に、止めを刺そうとイーターが迫る。

 瞬間、彼はニヤリと笑った。己の体を爆発させ、彼は第2の死を迎えた。


ご意見、ご感想などありましたらお願いします~

評価などもしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。